【チャンピオンズC】福永ブレイブ、精神面充実 坂路で軽快53秒6

[ 2018年11月29日 05:30 ]

福永祐一騎手を背に坂路で単走で追い切るケイティブレイブ
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 秋の最強ダート馬決定戦「第19回チャンピオンズC」(12月2日、中京)の追い切りが28日、栗東、美浦の両トレセンで行われた。栗東坂路ではケイティブレイブ(牡5=杉山)が主戦・福永祐一(41)を背に軽快な動きを披露。京都開催のJBCクラシックで中央G1初制覇を飾ったコンビが、砂の桶狭間で王座統一を狙う。同レースは29日に枠順が確定する。

 名手の時計感覚を狂わせるほどの充実ぶりだ。ケイティブレイブの最終追いは主戦・福永が騎乗して坂路単走。4F53秒6の計時は指示よりも2秒近く速かった。「先週のCWコースでの追い切りが想定より速くなった。だから今週は4F55秒くらいのイメージ。最後にサッと伸ばす程度だが、それでも速かった」。福永はその理由を的確に分析した。「ストライドが伸びたのでしょう。調教には随分乗っているがここ2週、タイムの感覚が崩れている」

 1完歩で進む距離が延びたことが、感覚を狂わせた要因。福永は「ストライドが伸びたということは、体をうまく使えている証拠。以前は前のめりの重心で走る馬だったが、最近は走りのバランスが良くなった」と評価する。前輪駆動から4WDへ。杉山師も「中京は最後の直線がタフなコース。ストライドが大きくなれば、それだけ無理なく運んで力を温存できる」とプラスに捉えている。

 肉体面に加え、精神面の進化も著しい。昨年3月の名古屋大賞典からコンビを組む鞍上は「初めて乗った頃は極端な逃げ馬。2番手でもムキになるし、逃げても集中できない。今でこそ自在性が武器と言われるが、当時は自在とはほど遠い馬だった」と振り返る。転機は昨年の帝王賞。出遅れて後方に置かれながら、鮮やかな差し切りV。馬にとっても大きな自信となった。「あのレース以降、徐々に引き出しが増えて、もう試すこともなくなった」

 実戦で身につけた自在性を発揮したのが前走のJBCクラシック。中団からの差し切りで待望の中央G1初優勝を飾った。福永にはもう一つ夢がある。「来年は海外へ。僕から調教師にお願いした。そのために今回すっきり勝って、日本代表として挑戦したい」。ここを勝てば川崎記念、前走に続いて今年ダートG1・3勝目。最優秀ダートホースの座もグッと近づく。JRA・G1は7週連続で外国人騎手が優勝中。前走でルメールのG1・5連勝を阻止した福永&ブレイブのコンビが、今度は桶狭間で“黒船旋風”を止める。

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2018年11月29日のニュース