【ステイヤーズS】コウキ切り開く!ゴーサイン鋭く反応

[ 2018年11月29日 05:30 ]

バニラオーキッド(右)と併せ追い切るコウキチョウサン(撮影・郡司 修)
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 ゴールの先に見えるのは有馬記念史上初の全兄弟対決か。冬の名物マラソンレース「スポニチ賞ステイヤーズS」(12月1日、中山芝3600メートル)に出走するコウキチョウサン(牡5=和田正)が28日、美浦トレセンで追い切った。全兄のオジュウチョウサンは今年、障害から異例の平地転向で有馬記念出走を見据える。弟も兄同様に豊富なスタミナを備えており、重賞タイトル獲得ならさらなる高みへの挑戦も視野に入る。

 父ステイゴールド、母シャドウシルエット。2つ違いの全兄弟はオーナー、厩舎、担当厩務員も全て同じ。和田正師が「歩き方が似ている」と言えば、長沼厩務員も「跳んだり、やることはまるっきり一緒。どっちもスタミナ豊富で長い距離が合う」と話す。激しい気性とスタミナが共通点。障害G1・5勝の兄オジュウチョウサンは4250メートルを走ってケロリとしているスタミナお化け。同じ血が流れる弟に、陣営は準オープンの身ながら平地最長重賞への参戦を決断した。

 最終追いはWコースでバニラオーキッド(2歳未勝利)を4馬身追走。直線で鞍上が手綱を緩めるとスッと反応し、余力十分の手応えで併入した。4F54秒9〜1F13秒1。「前に馬を見せてやる気になったところでゴールさせたかった。先週までに負荷は掛けてあるので今週は気持ちを入れるようなイメージ。予定通りでいい動き。前走より体の張りも出た」と前進を口にした師。格上挑戦とは思っていない?という報道陣の質問に「距離は合いそう。合えば面白いしチャンスはある」とニヤリ。自信の一端をのぞかせた。

 ステイヤーズSがG2に昇格した97年以降、勝ち馬延べ10頭が有馬記念に駒を進めた。コウキがここを制して有馬に向かえば、異例の平地転向で有馬参戦を表明した兄オジュウとレース史上初の全兄弟対決という快挙の可能性も出てくる。指揮官は「そうなれば凄いけど、まずは(3連覇中の)アルバートを倒さないと。勝てばその後にいろいろな可能性が見えてくる」と含みを持たせた。

 オジュウがチークピーシーズを着けて以降、出世街道をばく進したように、コウキも4走前からチークを装着して走りが良化。気性やスタミナのみならず、不思議なほど兄の背を追ってきた弟。暮れの大一番で相まみえれば、それはまさに夢の対決となる。

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2018年11月29日のニュース