【ドバイターフ】スティール2度目Vへ矢作師「ぶっつけ」OK

[ 2018年3月27日 05:30 ]

16年ドバイターフで優勝したリアルスティール
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 31日は恒例のドバイワールドカップデー。ドバイ特集として、ドバイターフにリアルスティールを送り込む矢作芳人師(57)の胸の内を直撃。一昨年のこのレースでG1初制覇を果たした一方、昨年は現地到着後に鼻出血を発症して無念の回避。競馬界屈指の頭脳派トレーナーは悲喜こもごもの思い出が残るドバイへ気持ちを新たにした。

 ――3年連続のドバイ遠征(一昨年V、昨年は鼻出血で直前回避)。

 「左回り1800メートルが得意なのは結果として出ている。賞金(1着360万ドル)も魅力。大阪杯に行くことは全く頭になかった」

 ――明けて6歳。

 「そんなにレースを使っていないこともあって、馬は若い。あと1年行きたいと思っていた。何とかもう一つタイトルを、の気持ちは強い。引退後の話をすれば、血統的にも馬体的にも種牡馬としての価値は高い。欧米で種牡馬になってもいいレベルの馬じゃないかな」

 ――騎手は当初デットーリと発表もキャンセル。

 「実は2年前ドバイに行った時、ホテルの部屋がデットーリの隣で。リアルの2着馬(ユーロシャーリーン)に乗っていたし、うちの馬の強さも理解してくれていたんだろうね。社交辞令だろうけど“機会があればぜひ…”と話をした。それに競馬ファンとして純粋に、デットーリが乗るところを見たかったのもある」

 ――乗れず残念。

 「残念だけどゴスデン厩舎の馬(優先契約しているアブドゥラ殿下の所有馬)が使った場合は乗れなくなるのは頭にあったし、ヨーロッパではよくある。スムーズに“次の騎手を”と気持ちを切り替えた。騎乗するバルザローナはドバイにも実績があるし、期待している。いろいろな騎手からオファーを受けた中で、ベストな選択をしたつもり」

 ――中山記念をステップにした2年前に対し、今年はぶっつけ本番。状態は?

 「追い切りを重ねるとガラッと変わってきた。思った以上に良くなってます。ぶっつけは当初から決めていた。全く心配ありません」

 ――右前脚の球節に不安を抱えていて、昨秋以降は坂路オンリーの調整。

 「そういう意味でも一戦一戦が勝負だと思ってます。種牡馬価値を下げるレースをするわけにはいきません。日本からも応援をよろしくお願いします」

 ◆矢作 芳人(やはぎ・よしと)1961年(昭36)3月20日生まれ、東京都出身の57歳。開成高卒。高校卒業後、ホースマンを志してオーストラリアで修業。帰国後、栗東トレセンで調教助手を務め、05年に厩舎を開業。08年JRA史上最速で通算100勝を達成。12年ダービーをディープブリランテで制した。

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