【秋華賞】ミリッサ無念晴らす！いざ収穫のＧ１舞台

　【Ｇ１ドキュメント＝１０日】ようやくたどり着いたＧ１の大舞台だ。石坂厩舎ゆかりの血統馬ミリッサが秋華賞に挑む。春はカイ食いが細く、馬体維持に苦慮しながらの調整。何より、必勝を期したエルフィンＳを３着に“取りこぼした”ことが痛かった。続くチューリップ賞も桜花賞の優先出走権に一歩届かずの４着。担当の大井助手はもどかしそうに振り返る。

　「春はカイバを残すし、追い切るとなおさら食べなかった。こわごわの調整やったね」

　ただ、ここでクラシックをスパッと諦めたことが成長を促した。適度な間隔をとって使った５月京都の５００万下、７月中京の１０００万下を連勝。続くローズＳも内でスムーズさを欠きながら、見せ場たっぷりの４着にまとめた。

　「中京で勝つ前あたりから体がしっかりしてきた。放牧から帰ってくるごとに良くなってきたし、今は普通に調教できてるよ。折り合いさえ付けば、２０００メートルも大丈夫じゃないかな」

　無念を晴らす場だ。１つ上の半姉シンハライトはオークスを制したが、秋華賞を前に屈腱炎を発症して引退。ミリッサにも「本当は桜花賞に出したかった」という悔しさが残る。それだけじゃない。５つ上の半兄アダムスピークは大井助手が担当。ラジオＮＩＫＫＥＩ杯２歳Ｓを制してクラシック候補となったが、皐月賞で鼻出血を発症して、ダービーは使えず。その後は脚元の不安に泣かされ、Ｇ１出走すらかなわなかった。

　「まだ１週間あるから安心できひんよ」

　冗談っぽいセリフからも緊張感が伝わってくる。あと５日。まずは無事にゲートインできるように――。岡崎は強く願った。