【凱旋門賞】“霧裂いた”ダイヤに光!ノブレス相手1馬身先着

[ 2017年9月28日 05:30 ]

朝モヤが立ち込めるエーグル調教場でルメールを背に追い切るサトノノブレス(右)とサトノダイヤモンド
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 世界最高峰の仏G1「第96回凱旋門賞」に出走するサトノダイヤモンド(牡4=池江)とサトノノブレス(牡7=同)が27日、エーグル調教場の芝周回コースで最終追いを行った。ルメールを背にダイヤモンドが力強い動きで1馬身先着し、フォワ賞(4着)を使った上昇ぶりをアピール。日本競馬の悲願に向け、万全の態勢を整えた。追い切り後には出馬登録も締め切られ、出走馬20頭の枠順は現地28日夜(日本時間29日早朝)に決まる。

 草原のように広大なエーグルの芝周回コース。朝からモヤが立ち込めた中、現地メディアを含め80人の報道陣が日本馬の最終追いを見守った。向正面は真っ白で全く見えず、動きを確認できたのは直線だけ。サトノダイヤモンドに騎乗したルメールは「霧の中から皆さんの姿が見えて、こんなに人がいるのかとビックリした」と、注目度の高さに驚いた。

 直線はリードした僚馬サトノノブレスの内から、馬体を併せていく。ラスト200メートルからルメールのゴーサインに反応し、1馬身先着してフィニッシュ。鞍上は「前走より特に息遣いが良くなったね」と上昇度を口にした上で「ただ、最後の加速が足りなかった。この馬の加速を知っているが、それに比べると物足りなかった」と率直に不満も漏らす。

 この日は朝露の影響で、水分をたっぷり含んだ馬場状態。鞍上は「頭を下げて、肩が上がらなかった」と振り返る。フォワ賞も日本では経験したことのない道悪馬場に苦戦。「これだけ大きい馬だし、軟らかい馬場はつらい。馬場状態が重要」とポイントを挙げた。

 前走後に状態は「60〜70%」と語っていたが「今日は80〜90%ぐらい。まだ4日あるし当日はもっといい状態に持っていけると期待している」とレースを待ち望んだ。

 フランスの名手でありながら、15年から拠点を日本に移した。昨年のマカヒキ(14着)に続いて日本馬とのコンビ。「昨年は日本馬で初めて挑戦して緊張していたが、僕も2年目だし落ち着いて臨める」と自身にとっても初制覇に力を込める。

 1969年のスピードシンボリから始まった日本馬の凱旋門賞挑戦。悲願は今年もルメールに託された。「日本で一番強い馬だし、勝つために来ている。力を最大限発揮して、勝利をつかみ取りたい」と闘志を燃やした。

 ▽エーグル調教場 パリの北東約40キロの森の中にあるシャンティイ調教場の一つ。他にラモルレー、コワイラフォレ、アヴィーサンレオナールなどがある。エーグルの総面積は約220ヘクタール。1周3800メートルの周回コース、芝とダートの直線コースなどがあり全てに自然の起伏が生かされている。調教場の使用料は出走馬が獲得した賞金の一部と走るごとの使用料などで維持&管理されている。

 ◆馬場状態 シャンティイの週末に向けた天気予報では、特に29日に日中、夜間ともにまとまった雨が降りそう。30日からは気温も上がらず馬場も乾きづらい見込み。レース当日も曇り時々雨の予報で、ダイヤモンド陣営が期待する馬場は難しそうだ。現在のシャンティイの芝は雨が降らなくても朝露の影響で湿っており、良馬場は望めそうにない。

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