【レパードS】鬼脚グレンツェント重賞初V!ゴール前首差かわした

[ 2016年8月8日 05:30 ]

鬼脚初重賞V!!ケイティブレイブ(奥)をゴール前で捉え、差し切ったグレンツェント

 出世馬を出す夏の3歳ダート重賞「第8回レパードS」が7日、新潟競馬場で行われた。5番手を進んだ2番人気グレンツェントが、逃げ粘る1番人気ケイティブレイブをゴール寸前で首差かわして、待望の重賞初V。昨年の交流G1ジャパンダートダービーを制したノンコノユメ(牡4)が在籍する加藤征厩舎に新たな砂のG1候補が出現した。

【レース結果】

 手に汗握る名手の共演。武豊ケイティブレイブが4コーナーでセーフティーリードを取った瞬間、勝利を確信したファンは多かったはず。だが、戸崎グレンツェントは鬼脚を確信していた。7馬身前で飛ばす武豊に惑わされず、離れた5番手を悠々と追走。直線は迷わず外へ。着実に詰め、きっちり首差抜き去ったところがゴール板。テン乗りで見事に重賞初Vに導いた。

 滴る汗を検量室で拭き取った名手は「人気(2番人気)になっていたし、とてもうれしい。スタートも決めてくれ、スムーズな競馬ができた。やっぱり、伸び脚は凄い。直線は必ず伸びてくれると思った」。

 1番人気のケイティが2・5倍なら、グレンツェントは差のない2・7倍。ファンも望んだマッチレースだった。敵は1頭。そう定めた。「逃げた馬(ケイティブレイブ)が行った時に強いことは分かっていたので…。捉えられる位置にいようと思っていた」と冷静に振り返れば、加藤征師は「2番手(ピットボス)が前と離されたので一瞬ヒヤッとしたよ」と切りだしたが、顔は笑っていた。35度の猛暑も何の。「夏にへこたれないみたい。かなり元気が良かった。パドックではうなっていたよ」と待望の重賞初Vを喜んだ。

 加藤征厩舎といえば、1歳上にユニコーンS1着→交流G1ジャパンダートダービー(大井)を制した大看板馬のノンコノユメがいる。「ノンコノユメは別格。届かないようなところから、ド~ンと来るから。タイプは違う」と偉大な先輩に最敬礼した後、優しく期待の言葉を続けた。

 「タフな消耗戦に強い点は似ているかな。2頭とも平均して長く脚を使うね」

 レパードSはトランセンド、ホッコータルマエと後のG1馬が勝ち上がった出世レース。その未来は前途洋々だ。今年JRA重賞8勝目と波に乗る鞍上は「重賞も勝てたし、この先が楽しみ」と目を輝かせれば、指揮官は「今後は古馬が相手。簡単ではないけど、G1を勝ってないので(負担重量的に)まだG3は使える。シリウスS(10月1日、阪神)など視野に入れて一歩ずつ」と地道な方針を貫く。あす9日にはノーザンファーム天栄(福島)でご褒美の夏休み。そして、ノンコとの強力二枚看板へ。猛暑の越後路でつかんだ財産はG1への原動力になる。

 ◆グレンツェント 父ネオユニヴァース 母ボシンシェ(母の父キングマンボ)牡3歳 美浦・加藤征厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績7戦4勝 総獲得賞金8781万6000円。

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2016年8月8日のニュース