【住之江・賞金王シリーズ】苦節２０年、前本初ＳＧ「ホッとした」

ＳＧ初Ｖを果たしトロフィーを手に、いるかっ娘と笑顔の前本泰和

　９２年のデビューから苦節２０年、前本がＳＧウイナーの仲間入りを果たした。インからコンマ０４のトップＳを決め、しっかり逃げ切った。ＳＧ初優出、１号艇のプレッシャーに打ち勝って「ホッとしました」と、普段はあまり見せない笑顔を浮かべた。

　２連対率２１・７％の低調エンジンを引いたものの、持ち前のプロペラ調整で前検から抜群のパワーを引き出し、オール３連対をキープ。この調整力と内寄りのレーススタイルを磨き上げ、今年１１月に地元宮島の周年記念を制覇した。意識不明の重傷からカムバックした師匠の西島義則（５２＝福岡）にも刺激を受けていると言い、「大きな舞台でまた一緒に走れれば」と胸中を明かした。

　１４年度からは賞金王決定戦の出場枠が１８人に拡大。「選手になったからには賞金王に出たいという思いはある」。遅咲きのヒーローはさらなる意欲をのぞかせた。