【セントウルS】ハクサンムーン金星!力でねじ伏せ夏の短距離王

[ 2013年9月9日 06:00 ]

鮮やかに逃げ切ったハクサンムーン(左)

 8日の阪神「第27回セントウルS」はハクサンムーンが逃げ切って短距離王ロードカナロアを完封。サマースプリントシリーズ総合Vを決めた。

【レース結果】

 逃げたハクサンムーンの鞍上・酒井は、世界王者が相手でも冷静だった。持ったままの手応えで直線へ。G1・4勝のロードカナロアが来るのを待っていた。

 「待てるだけ待って、ぎりぎりで追い出すようにと心の中にあった。(カナロアの)気配は感じていた」

 残り200メートル、満を持して追い出しを開始。カナロアは1馬身背後まで迫っていた。逃げるムーン、迫るカナロア。お互いに左ステッキを連打した。徐々に差は詰まるが、しぶとく粘ったムーンが首差しのいでV。酒井は左手でG1級のど派手なガッツポーズを繰り出し、喜びを爆発させた。「うれしすぎて。最後は、よくしのいでくれた。王者のカナロア相手に1着。大金星ですね」

 同時にこの勝利がサマースプリントシリーズ王者へと導いた。シリーズ最終戦での逆転優勝。鞍上は「前哨戦でもスプリンターズSと変わらないメンバーだった。胸を張ってシリーズ王者と言える」とパートナーを称えた。

 7月のアイビスサマーダッシュに続くスプリント重賞連勝。4歳夏から充実した走りを見せているが、レース前にヒヤッとさせる面は相変わらず。本馬場入場時には鞍上を振り落とそうと、ロデオのように何度も回転する。この日も10回ほどクルッと回った。西園師も、これには苦笑い。

 「馬場入りまでが心配なんだよな。前回は(鞍上を)2回落としたし、きょうの3倍は回っていた。わがままっ子で迷惑掛けます」

 そんなご愛きょうはともかく、前哨戦とはいえ王者を力でねじ伏せた。これで堂々と本番のスプリンターズSへ。酒井は「次はカナロアもきっちり仕上げてくる。チャレンジャーの気持ちで臨みたい」と口元を引き締めつつ「自分の競馬をして、大一番でも強い姿を見せたい」と意気込んだ。G1舞台でも、得意の独り旅で王者を封じる。

 ◆ハクサンムーン 父アドマイヤムーン 母チリエージェ(母の父サクラバクシンオー)牡4歳 栗東・西園厩舎所属 馬主・河崎五市氏 生産者・北海道日高町白井牧場 戦績17戦7勝 総獲得賞金2億2692万7000円。

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2013年9月9日のニュース