【京成杯AH】秋の新星エクセラントカーヴ 4連勝で重賞初制覇

[ 2013年9月9日 06:00 ]

エクセラントカーヴ(左)が鋭い末脚で突き抜けて重賞初制覇

 秋の中山開幕を告げるG3「第58回京成杯AH」が8日、同競馬場で行われ、戸崎圭太騎手(33)騎乗のエクセラントカーヴが4連勝で重賞初制覇。秋のG1戦線に名乗りを上げた。管理する堀宣行師(45)は、この勝利がJRA通算300勝(2238戦目、現役76人目)となった。

【レース結果】

 これぞ夏の上がり馬。エクセラントカーヴが4連勝で重賞タイトルを獲った。ルナとテイエムオオタカが競り合う乱ペース。向正面で先頭から最後方まで20馬身以上の縦長の展開を、戸崎カーヴはちょうど真ん中に位置取り、折り合いに専念した。5F通過56秒7のハイラップとはいえ、先行有利な開幕週の芝。それでもパートナーの能力を信じた戸崎に焦りはなかった。3角過ぎから徐々に進出すると、直線入り口で先行2頭を射程圏に捉え、馬場の中央へ。残り200メートルで先頭に立つと、後続に影を踏ませず、2着に1馬身1/4差をつける完勝だった。

 「強かった。最後にいい脚を使うことは分かっていたし、この馬の競馬をすればと思っていた」。会心の騎乗を戸崎は涼しい顔で振り返った。「前はいつでもかわせる手応えだったから、後ろだけ気をつけていた」。ゴール前で唯一迫ったのが、同じ大井競馬出身の先輩・内田が乗るダノンシャーク。横山父子の対決が注目されたレースだが、終わってみれば大井の先輩、後輩コンビのワンツーだ。

 表彰式で戸崎と固い握手をかわした吉田照哉オーナーも笑いが止まらない。「凄い成長力。4角の持ったままの手応えで安心して見ていられた」。デビュー2戦目のG3クイーンCで3着に入るなど、早くから能力の片りんを見せていたが、今年に入って戸崎とコンビを組んでから5戦4勝と本格化。鞍上は「ずっと乗せてもらって成長も感じていた。以前より落ち着いたことが、いい結果につながっている」と気性面の進化を快進撃の要因に挙げた。

 「ここまで来たら次は大きいところだね」と吉田オーナーはマイルCS(11月17日、京都)挑戦を明言。戸崎も「もっともっといいレースを見せられる」と力強い。秋の開幕を最高の形で迎えたカーヴ。父ダイワメジャーも躍動した秋の京都で、さらなる高みを目指す。

 ◆エクセラントカーヴ 父ダイワメジャー 母インディアナカーヴ(母の父エーピーインディ)牝4歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・吉田照哉氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績12戦6勝 総獲得賞金1億909万8000円。

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2013年9月9日のニュース