【有馬記念】ルーラーシップ 疲労の不安一蹴!敵は“出遅れ”だけ

[ 2012年12月20日 06:00 ]

CWでタニノタキシード(左)、メイショウブシドウ(右)との3頭併せで追い切られたルーラーシップ

 超一流馬は回復力が違う。休み明けの天皇賞・秋、そしてジャパンC(共に3着)と、全力投球で秋2戦を戦ったルーラーシップ。並の馬なら疲れがあって当然だが、最終追いでそんな不安を一蹴した。感触を確かめたクレイグ・ウィリアムズ(35=オーストラリア)は、1週前追い切りからの上昇を感じ取った。「先週乗った時は正直言って、特別凄いということもなかった。でも、今回は状態が上がっていた。馬自身が行く気になっていた」

 Cウッドチップコースでの3頭併せ。前にメイショウブシドウ(3歳1000万)とタニノタキシード(2歳未勝利)を置く形でスタート。馬なりのまま4角で前に並びかけ、残り200メートルで軽く仕掛けられるとスッと加速。メイショウに半馬身先着し、ゴール後も力強く脚を伸ばした。ラスト200メートル11秒8。前2走に比べて軽快さでは見劣ったが、雪で重くなった馬場を考慮すれば十分だ。

 出来はいいとなれば、最大の敵はやはりスタート。この日も追い切り後にゲートを通した。中間のゲート練習では、尾つりロープという特殊馬具を装着。レースで使用するかは決まっていないが、あらゆる手を尽くして、互角のスタートを目指す。

 「角居先生も担当者もいろいろ考えてくれている。後はやってみないと分からない」。ウィリアムズは運を天に任せる。その上で、もしも1つ願いがかなうなら、という質問に、こう答えた。「2番か4番枠が欲しい。それは言っても仕方ないか。この枠をプレゼントしてくれる人がいたら、その人は神様だよ」。角居勝彦師(48)も、これには同意。「とりあえず(後にゲートに入れる)偶数が欲しい。まずはゲートがライバル」と語った。

 最後はパートナーの絶対能力の高さをあらためて強調したウィリアムズ。「ジャパンCは出遅れたのに3着。中山はトリッキーなコースだが、昨年の有馬記念だって結果を出している(11番人気4着)。この馬に何とか日本のG1タイトルを獲らせたいんだ」

 ルーラーシップとは「支配者」。ゲートと小回り中山を克服して、強力ライバルを振り切った時、真の支配者の座が待っている。

 ☆栗東CWコースのポイント 全長1800メートル、幅20メートル。ウッドチップを使用したコース。競馬場と同じ4つのコーナーがあり、長めの距離から実戦さながらの稽古を積める。コース取りの差で全体時計は大きく変わるが、5F65秒台、ラスト1F11秒台なら優秀。

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