【スプリンターズＳ】カレンチャン２着…年内引退も

＜スプリンターズＳ＞ロードカナロア（右）に敗れ、２着に終わったカレンチャン（左）

　競馬の形としてはパーフェクトだった。歴史的なＶゴールに向け、中団の外から直線半ばで堂々と先頭に躍り出たカレンチャン。しかし、すぐ後ろで終始マークしていたロードカナロアが外から襲いかかった。懸命に抵抗した女王だが、最後は力尽きて２着。芝スプリントＧ１・３連覇の大偉業は、同じ厩舎で１歳年下の後輩によって阻まれた。

　「スムーズなレースができた。ムキになることもなかったし、直線もしっかり伸びてくれた」。検量室で気持ちを落ち着かせ、かみしめるようにレースを振り返った池添。だが、再び熱い思いがこみ上げてきたのか、「うーん、悔しい。３連覇したかった。（ロードは）びっしりマークしてきた。僕の馬しか見ていなかった」と天を仰いだ。

　厩舎としては見事なワンツーとなった安田師も「複雑ですね。両方とも勝たせてあげたかったので…」と２着馬については言葉を濁した。今後については「今年いっぱいで引退かもしれない。次は海外も含めてこれから考えたい」と師。昨年５着に終わった香港スプリントで雪辱を狙うのか、それとも国内でラストランを迎えるのか。芝スプリント界に一時代を築いた名牝の走りが見られるのも、あとわずかだ。