【スプリンターズＳ】カレン“朝飯前”馬なりで１２秒１

[ 2012年9月27日 06:00 ]

　史上初の偉業へ。秋のＧ１開幕戦「第４６回スプリンターズＳ」の追い切りが２６日、美浦、栗東両トレセンで行われた。スプリントＧ１・３連覇に挑むカレンチャンが坂路での最終追い切りで活気あふれる動きを披露。僚馬グレープブランデーに余裕たっぷりの先着で久々を使われての出来急上昇をうかがわせた。なお、同レースは２７日に出走馬が確定、２８日に枠順が決まる。

　朝一番の坂路でカレンチャンが理想的な最終調整を終えた。僚馬グレープブランデー（シリウスＳ出走）を１馬身追い掛けて、残り４００メートルからは併走。ラスト１Ｆで軽く仕掛けられるとスッと反応して半馬身の先着だ。時計は４Ｆ５３秒２～１Ｆ１２秒１。満足げな笑みを浮かべて愛馬から下りた安田翔助手は、“併せ”と“ほぼ馬なり”という強弱が相反する２つのキーワードについて、こう説明した。

　「先週までで体はできていますが、併せることで気持ちだけは持続できるように。落ち着き過ぎると良くないんでね。きょう併せたことで気持ちが入ると思いますよ。動きや反応はいつも通り良かったです」

　もちろん、馬体の充実も目を見張る。休み明けの前走でプラス２２キロだった馬体重については「太めではありません」と断言。その上で進化をアピールした。

　「馬の上から見た視界が、春と比べて全然違うんですよ。後ろを見ても違いますね」

　縦にも横にもボリューム感のある馬体は、スプリント王の座についた昨秋や今春と比べても何ら見劣ることはない。いや、むしろそれ以上と思えるほどだ。

　それならば、なぜ前哨戦で４着に敗れたのか。答えは明白で、結果的には前半で飛ばし過ぎたということ。前半３Ｆ３３秒２のハイペースを２番手で追い掛けながら、ラスト１００メートルまで先頭で踏ん張っての０秒１差４着はむしろ評価していいはずだ。

　安田翔助手は「予定ではカナロアを見ながら進めてほしかったんですが、休み明けでフワフワしていたみたいで出して行ったら…。僕たちもちょっとびっくりの形だったんですが、それでもあらためて能力のあるところは示してくれましたからね」と納得の表情。

　そして最後は強気に締めくくった。

　「一度使って中２週というのは理想的なローテーション。高松宮記念とは雲泥の差、当時よりいいパフォーマンスを見せられる状態です。もちろん３連覇を意識しているし、それが出来るだけの馬だと思っています」

　史上初となるスプリントＧ１・３勝目の大偉業へ。カレンチャンの前に立ちはだかるものは、何もない。