【札幌記念】ダムール復活手応え!“新兵器”着用で集中

[ 2012年8月16日 06:00 ]

札幌記念で復活を期すヒルノダムール(右)はチークピーシーズを着け気合十分の走り

 サマー2000シリーズの第4戦「第48回札幌記念」の追い切りが15日、札幌、函館競馬場で行われた。天皇賞・春11着以来4カ月ぶりの実戦となるヒルノダムールが、札幌競馬場ダートコースで気合満点の動きを披露。休養でリフレッシュに成功した昨春の天皇賞馬が、北の大地で復活に向けて前進した。

 このまま終わるわけにはいかない。11着と思わぬ大敗を喫した天皇賞・春の巻き返しを狙うヒルノダムールの最終追い切りは、陣営の強い決意を感じさせる熱のこもった内容だった。

 ダートコースで僚馬トライチャンス(3歳未勝利)を大きく先行させてスタート。鞍上の武英(レースは藤田)は終始手綱を抑えながら、徐々に差を詰めていく。直線で外から馬体を併せた後も手綱を緩めず、エンジンをふかしながらブレーキを踏んでいるような状態で併入。昆師は「馬なりでも少し苦しい、そんな追い切りをしたかった。相手が頑張ってくれて、思い通りの稽古ができた」と納得の表情を浮かべた。

 復活へ向けての切り札となりそうなのが、今回初めて着用するチークピーシーズだ。視界を狭くして集中力を増す目的で両頬に着ける矯正馬具。札幌芝コースで8日に行われた1週前追いで装着し、5F60秒5(いっぱい)と実戦並みの猛時計をマーク。この日の最終追いでも装着した。昆師は「抜け出すとフワッとするタイプだが、先週は抜けてからもしっかり走っていた。効果はあると思う」と“新兵器”に手応えを感じている。

 札幌芝コースは3歳時の10年札幌記念1戦のみの出走。結果は4着も、当時現役最強クラスの実力を誇った1着アーネストリーと0秒5差。洋芝適性を疑問視する必要はない。芝3200メートルの11年天皇賞・春Vが最高の勲章だが、芝2000メートルも11年大阪杯でのレコード勝ちを含む【2302】。昆師も「条件は悪くない」と力を込める。

 今回と同じ4カ月ぶりの実戦だった6走前のフォワ賞(仏ロンシャン競馬場・芝2400メートル)では、初の海外遠征という課題も克服して2着。鉄砲駆けすることも実証している。「まだピークではないが、ある程度の結果は出さなければいけないと思っている」と昆師。定量戦で57キロで出られるG2なら、G1ホースとして主役の座は譲れない。

続きを表示

2012年8月16日のニュース