【アイビスSD】パド直千男意気!牝馬連勝7で止めた

[ 2012年7月23日 06:00 ]

<アイビスSD>レースを制したパドトロワ(左)

 直線1000メートルで争われる新潟名物レース「第12回アイビスSD」が22日行われ、昨年スプリンターズ2着パドトロワが1馬身半差で重賞初V。初の直線競馬を味方につけて鮮やかに復活した。牝馬のレース連勝を7で止め、サマースプリントシリーズ首位に浮上。

 牝馬が強い?直線巧者?そんなの知ったこっちゃないと言わんばかり。直線競馬初挑戦の5歳牡馬パドトロワが地力の違いを見せつけた。アイビスSD初騎乗の安藤は「思ったような位置を取れたし、1000メートルも合っていたんだろうね」と涼しげな表情で汗をぬぐった。

 15日から直線競馬3連勝を決めた鮫島師は「もともと直千は面白いと思っていたけど勝つともっと楽しいね」と会心の笑みだ。

 昨年スプリンターズSは4角先頭の積極的な競馬で2着。そのスピードは直線競馬でも生きた。内のハクサンムーン、外のエーシンダックマンが飛ばす中、楽に3番手につけた。「先に行った2頭は速かったね。でも、この馬はバッタリ来る馬じゃないから」と安藤。最後はさすがに失速した2頭に対して、その間をズバッと突き抜けた。

 函館から木曜に約14時間かけて競馬場入りする直前入厩でのV。師は「スピードがある馬なので直線競馬は大丈夫だと思ったし、いろいろ挑戦させてもらったのが糧になった。タフだし、大人だし、輸送にも慣れた」と愛馬の成長に目を細めた。

 スプリンターズS後は本調子を欠き、前走・函館SSも4着止まりだったが、夏場に調子を上げるタイプ。安藤は「前回も歩様は良くなっていたが息遣いがイマイチだった。今回は返し馬の時点で息遣いも良くなっていると感じた」と復調を強調した。それでも、スプリンターズS時に比べればまだ馬体に余裕がある。今でも当時の調教映像を見返すという師は「518キロで、追い切りは坂路でラスト1Fが11秒台。使って良くなる馬だし、あの状態になればG1でも面白いと思う」とさらなる上積みを期待した。

 今後は函館に戻ってキーンランドC(8月26日、札幌)を予定。13ポイントで首位に浮上したサマースプリントシリーズも牝馬が6連覇中だが、「夏の牝馬」の前に今年はパドトロワが大きな壁となって立ちはだかる。

 ◆パドトロワ 父スウェプトオーヴァーボード 母グランパドドゥ(母の父フジキセキ)牡5歳 栗東・鮫島厩舎所属 馬主・吉田照哉氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績21戦7勝 総獲得賞金1億9283万1000円。

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