【KEIRINグランプリ】山口 涙の最年長V

[ 2011年12月31日 06:00 ]

<KEIRINグランプリ>優勝した山口(左)は村上と抱き合って泣く

 山口が史上最年長V。東日本大震災被災地支援「KEIRINグランプリ2011」は30日、平塚競輪場で争われ、山口幸二(43=岐阜・62期)が直線追い込んで優勝。賞金1億円を獲得するとともに初の賞金王に輝いた。山口のグランプリ優勝は98年以来、13年ぶり2回目。43歳でのグランプリ優勝は06年の有坂直樹(当時37歳)を6歳超える最年長記録となった。

 熱い涙が止まらなかった。43歳の山口は12年ぶり3回目の大舞台を「最後のグランプリになるかも…」の思いで迎えていた。

 大一番は父・啓さん(75)と母・信子さん(67)も平塚競輪場で見守った。両親が山口のレースを生で観戦するのは88年9月のデビュー戦以来2回目。「両親が新幹線に乗るのは新婚旅行以来だったと思う」。23年ぶりの観戦がどういう意味を持つかは山口自身が一番肌で感じていた。

 09、10年と2年連続でグランプリ次点(補欠)に泣いた。そしてつかんだグランプリ2011の出場権利。「年齢的にもグランプリの重みは僕が一番分かってると思う」。それだけに「悔いを残したくない」と位置取りも熟考した。

 考え抜いた結果は“中部の絆”を選択。そんな思いが一緒に合宿した深谷と浅井に伝わったのだろう。深谷が駆けて浅井が番手からまくり、山口の差し脚が生きる展開となった。歓喜のゴール後は「いろいろな思いがこみ上げて涙があふれてあふれて止まらなかった…」。

 山口、山田裕仁と共に“岐阜王国”を築いてきた浜口高彰は「(山口は)勝負に対する集中力が抜群。そして経験を生かす走りができる。岐阜支部長として公務も多い中、集中して練習する姿勢は素晴らしい」と史上最年長グランプリVの偉業を達成した山口の強さの秘けつを語った。

 表彰式を終えた山口は「もう涙が枯れました(笑い)」といつもの明るい笑顔で記者会見場を和ませた。「来年は1番車のグランプリチャンピオンジャージーに恥じない走りをしたい」。史上最年長の賞金王は来年も“ベテラン健在”を見せつける心意気だ。

 ◆山口幸二(やまぐち・こうじ)1968年(昭43)7月29日生まれの43歳。岐阜県大垣市出身。大垣西高卒。88年9月プロデビュー。通算成績は1967戦382勝。通算取得賞金は13億3116万円。主な優勝は第41回オールスター(98年)、グランプリ2回(98年、11年)。1メートル67、65キロ。血液型O。

続きを表示

この記事のフォト

2011年12月31日のニュース