【秋華賞】2頭出し鹿戸雄厩舎“一発”ムード

[ 2011年10月12日 06:00 ]

<秋華賞>2頭出しで“狙う”鹿戸雄師

 牝馬3冠最終戦の「第16回秋華賞」。鹿戸雄厩舎の2頭が“逆転女王”の座を狙っている。春2冠の桜花賞10着、オークス5着の良血スピードリッパーは秋初戦の紫苑S(13着)を叩いて激変ムード。UHB賞で古馬を撃破したレッドエレンシアは涼しい北海道遠征が功を奏し、体がボリュームアップ。距離克服の手応えも得ている。また、G1恒例の「データ大分析」では悲願成就に燃えるホエールキャプチャが浮上した。

 春の実績馬と夏の上がり馬。2頭出しの鹿戸雄厩舎に一発の魅力が漂う。11日の美浦は東京3日間開催の直後で全休だったが、秋華賞出走組と調教パートナーの馬場入りはOK。スピードリッパーは開門直後の午前6時、坂路で軽快にキャンター。秋初戦の紫苑S(13着)を叩き、確実に躍動感が増している。

 鹿戸雄師は穏やかな表情だ。「いつも通り、ほぼ15~15ペース。中間は山元トレセン(宮城)に放牧に出して良くなった。紫苑Sも体調は良かったが、道中でもまれたしハイペースに巻き込まれて…。今回の方がカイバも食べているし調子は上がってます」。春はフェアリーS、フィリーズレビューと重賞連続2着。オークスは直線で前をカットされる不利がありながら、エリンコートから0秒5差5着に奮闘。半兄にポップロックを持つ良血で、まだ伸びる余地はある。

 一方のレッドエレンシアは夏も稼働。7月中山の隅田川特別5着後、札幌へ転戦。古馬相手のUHB賞を快勝した。特筆すべきは体重で22キロ増でデビュー最高の428キロに増えた点。指揮官は「美浦に戻った後も体は維持できている。小さい馬なので涼しい北海道に連れて行ったのが正解だった。春もカイバは食べていたが、秋はそれが実になるようになった」と目を細めた。

 G1挑戦には前走で騎乗した四位の助言もあった。「四位君が、このスローでこれだけ折り合えれば距離は延びても大丈夫と…。父がジャングルポケットだから血統的にも大丈夫。頭数は少なかったけど、古馬相手の1000万を勝つのは価値があること。力をつけているんだと思う」

 2頭とも春に阪神遠征をクリア。リッパーはG2フィリーズレビュー2着。エレンシアも4月に500万快勝。気心の知れた2頭で同行できれば、初の京都遠征も心強い。「輸送は2頭とも問題ない。リッパーは春の差をどこまで詰めているか。エレンシアは今の充実でどこまでやれるか。楽しみです」。指揮官はひそかな期待を胸に、ラスト1冠の大仕事を祈っている。

続きを表示

この記事のフォト

2011年10月12日のニュース