【秋華賞】“冷静”飯田&“情熱”ジャンヌに期待

[ 2011年10月12日 06:00 ]

 【G1ドキュメント=11日】馬場入り前、ちょっとヤンチャな面を見せる馬が栗東にいた。G1用の特殊ゼッケン7番を着けたその馬はキョウワジャンヌ。周囲はハラハラしながら見守ったが、橋口厩務員が何とかなだめて無事調教に向かった。「元気があり過ぎる。全休日明けは周囲もピリピリしてるでしょ。ガーンと来ちゃうんだよ」とベテラン厩務員は苦笑する。1日馬房に収まっていた翌日とあって、火曜日はテンションが高めの馬が多い。普段の調教にこぎ着けるまでもひと仕事だ。

 だが、馬場で乗り出してしまえば問題ない。角馬場から他馬の少ないBコースで調教をこなすと、すっかり落ち着いていた。栗毛でスタイルのいい馬とあって見栄えが良く、仙波だけでなく数人の記者が厩舎に引き揚げていく後ろ姿を見送った。

 調教に騎乗した飯田を囲んで取材の輪ができる。「ずっと使ってる馬だから、ここに来てグンと良くなることはないですけど状態をキープしてます」と淡々とした語り口。勝ちたい気持ちを押し殺して努めて客観的なコメント。だからこそ信頼できる。取材陣に飯田ファンの多いゆえんだ。

 「ホエールキャプチャは強い」という冷静な前置きをしつつも「楽しみも大きい」と野心を胸に秘める。「この馬自身、これまでレースでいろいろ勉強してきましたから。折り合いは大丈夫な気がします」。この「気がします」も願望でなく「大丈夫です」の同義とみていい。強敵相手にジャンヌの切れ味がどこまで通用するか、期待したい。

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2011年10月12日のニュース