【函館スプリントS】“あっぱれ”カレンチャン重賞V2!

[ 2011年7月4日 06:00 ]

<函館スプリントS>テイエムオオタカ(奥)を差し切るカレンチャン

 サマースプリントシリーズの初戦「第18回函館スプリントS」は1番人気のカレンチャンが差し切り阪神牝馬Sに続く重賞連勝を飾った。

 力でねじ伏せた。前半3F33秒1のハイペースの中、カレンチャンは道中5番手。直線では上がり最速の末脚を繰り出して、逃げ粘るテイエムオオタカを首差かわした。勝ちタイムの1分8秒0は昨年のワンカラットを0秒2上回るレースレコード。テイエムオオタカが前走でマークしたコースレコードに並んだ。

 引き揚げてきた池添は安どの表情を浮かべながら、パートナーの底力を称えた。「イメージより1列位置取りが後ろになった。ジョッキーとして馬を助けることができなかった。でも、最後はまだ余裕があったし強かったね」

 最大のポイントは4角すぎ。「スムーズにさばけなくて…」と池添。安田翔助手も「外を回る形で決して楽な展開ではなかった」と振り返る。それでも外に出してからはエンジン全開。内有利の馬場で外から一気に差し切ったのだから、ここでは力が違った印象だ。

 ここまでの調整過程は決して順調ではなかった。「正直、今回は七、八分の出来。それもやっとここまで持ってこられたという感じ」と安田翔助手は明かす。函館の環境に慣れ「落ち着き過ぎていて、これで競馬に使えるのかなと思った」という状態。ようやくスイッチが入り始めたのは2週前追いで池添が騎乗した時から。そこから態勢を整えての重賞V。ポテンシャルの高さに安田翔助手は目を細める。「体もふっくらして本当に成長している。レースの反動がないようにこれからケアしてきたい」

 京都競馬場で観戦した安田師は「本当にあっぱれ」と満足顔を見せ「次は札幌だね」と語った。サマースプリントシリーズ制覇に向けて札幌・キーンランドCへ。秋にはダッシャーゴーゴーと共にスプリンターズS(10月2日、中山)を目指す。夏の女王、そしてその先にあるトップスプリンターへ、着実に歩を進めた。

 ◆カレンチャン 父クロフネ 母スプリングチケット(母の父トニービン) 牝4歳 栗東・安田厩舎所属 馬主・鈴木隆司氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績10戦6勝 総獲得賞金1億5826万8000円。

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2011年7月4日のニュース