【ラジオNIKKEI賞】大器フレール“衝撃”の3連勝!

[ 2011年7月4日 06:00 ]

<ラジオNIKKEI賞>マイネルラクリマを差し切って重賞初制覇を飾ったフレールジャック(10)

 遅れてきたディープ産駒の大物が秋の飛躍を予感させた。「第60回ラジオNIKKEI賞」が中山競馬場で行われ、2番人気フレールジャックが父譲りの切れ味を発揮してデビュー3連勝。同産駒のJRA重賞勝利は、安田記念のリアルインパクトに続き今年4勝目で、通算では5勝目となった。

 これがデビューして2カ月に満たない馬だろうか。フレールジャックが無傷の3連勝。初の関東遠征で馬体を減らし前走から10キロ減。パドックでは発汗し、イレ込みが目立っていた。さらにスタート直後に厳しい試練が待っていた。

 最初のコーナーですぐ前にいたプランスデトワールが外に大きく逸走。その動きを見て一緒に外へとつられそうになったが、鞍上が何とか制御して馬群に戻った。その後は離れた5番手を追走し、4コーナーで外から進出。440キロ弱の小柄な馬体から繰り出される雄大なフットワークは父そっくり。直線はふらつきながらも、先に抜け出したマイネルラクリマを楽に抜き去ってV。随所に若さを見せながら、きっちり結果を出した。

 ディープ産駒の3連勝は初めて。その素質を福永は高く評価する。「前半は行く気満々で抑えるのに苦労した。落ち着くまでに時間がかかったので、どれだけ伸びてくれるか心配だった。まだキャリアは浅いが、あの脚を使えたのは大したものだね。完成されていない中で、これだけ走れるとは」

 昨秋にデビューに向けて栗東に入厩。だが、度重なるアクシデントでデビューは今年5月まで延びた。友道師は「やんちゃな面があって、あちこちに傷をつくって何度も放牧に出すことになった。順調ならもっと早くデビューさせたかったんだけどね。体は小さいが全身のバネと伸びは父に似ている。まだ遊びながら走っているし体も成長の余地はある」とさらなる飛躍を誓う。

 週明けには滋賀県のノーザンファームしがらきへ牧に出され、秋に備える予定。「今後の路線は神戸新聞杯を使ってからかな」と師。クラシックの菊花賞か古馬相手の天皇賞か。いずれにしても父譲りの末脚の衝撃を再び見せてくれるに違いない。

 ◆フレールジャック 父ディープインパクト 母ハルーワソング(母の父ヌレイエフ) 牡3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績3戦3勝 総獲得賞金5149万7000円。

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2011年7月4日のニュース