【寛仁親王牌】浅井康太3度目挑戦でG1初制覇

[ 2011年7月4日 06:00 ]

<寛仁親王牌>G1初優勝を決め、ガッツポーズの浅井康太

 浅井康太がG1初制覇。「東日本大震災被災地支援・第20回寛仁親王牌」の決勝戦が3日、新潟・弥彦競輪場で争われ、浅井康太(27=三重・90期)が優勝。賞金2590万円(副賞含む)とグランプリ2011の出場権利を獲得した。三重県登録のタイトルホルダーは海田和裕(65期=引退)以来2人目、また90期以降のG1優勝は深谷知広(21・愛知=96期)に次いで2人目となった。

 浅井が3度目のG1決勝で「正直にうれしい」表彰台の真ん中に立った。

 渡辺との二分戦はスタート争いから始まった。「スタートを取った時に脚の状態が良かったので何とかなるんじゃないか」。好感触で周回を重ねた浅井は「渡辺さんが仕掛けてくる位置次第で(渡辺の)番手で粘るか、併せて踏みだすか」と勝負どころに集中した。

 後ろの渡辺を警戒しながら踏み出した浅井は、最終ホームで神山をさばいて渡辺の番手奪取に成功。あとは「佐藤さんが来るかもと思いながら」直線勝負に向かい、真っ先にゴール線を駆け抜けた。

 「自分はG1を勝つような器ではないし、G1を優勝した実感はない」と控えめな浅井だが、09年にはG1決勝進出2回(高松宮記念杯=3着、小倉競輪祭=9着)をはじめ安定した走りで昨年はS級S班にランク、“タイトルに近い男”だったことは間違いない。

 昨年は落車が続いた時期もあり、やや精彩を欠いたが「今年は仕掛けるべきところで仕掛けるレースを心がけている」と意識を持ってレースに挑んでいる。そして6月・高松宮記念杯を優勝した深谷知広の存在が大きい。「永井さんとか(柴崎)淳とか一緒に練習する仲間にも刺激になっている」と中部の後輩の存在が励みになっているのだ。

 G1初制覇でグランプリ初出場も決めたが「(グランプリは)憧れていたが、まだ実感がない…」。最近まで続けていた自転車競技は卒業して「今後は競輪一本の予定」。深谷だけでなく、浅井も今年後半戦の流れを左右する1人だ。

 ◆浅井 康太(あさい・こうた)1984年(昭59)6月22日生まれの27歳。三重県出身。朝明高卒。05年7月松阪競輪場でプロデビュー。通算成績は451戦133勝。通算取得賞金は1億9778万円。主な優勝は第20回寛仁親王牌(11年)。師匠は佐久間重光(41期)。1メートル79、73キロ。血液型O。

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2011年7月4日のニュース