【オークス】グルヴェイグ“約束の地”で名血開花だ!

[ 2011年5月18日 06:00 ]

<オークス>乗り運動をするグルヴェイグ

 いざ、大記録へ。牝馬クラシック第2弾「第72回オークス」に出走するグルヴェイグには祖母ダイナカール、母エアグルーヴに続く母子3代オークス制覇の偉業が懸かる。直前の矢車賞を制し、ギリギリでつかんだ大舞台。“約束の地”で名血が華麗に花を開かせる。

 オークスへのラストチャンスだった矢車賞。約3カ月ぶりと間隔が空きながらも単勝1・6倍の圧倒的1番人気に支持されたグルヴェイグは直線で力強く馬群をこじ開けた。上がり3F33秒6の末脚を繰り出してのV。それは母子3代オークス制覇への夢をつなぐ大きな1勝だった。

 清山助手が驚きを含みながら語る。「最後のチャンスを自分の手でつかんだ。さらに今年は出走ボーダーが下がって賞金900万円でも出走できる。さまざまなことを考えると、この馬は“持ってる”のだと思う」。昨年は1350万円の馬が抽選の末に除外されたほどの難関だった。それを思えばグルヴェイグの持つ運は強い。「オークス出走は使命だと思っていた。華のあるこの馬が、いるといないとではファンの注目度も違うはず」。同助手は出走を果たせて、まずはホッとした様子だ。

 エルフィンS3着から間隔を空けたのは成長を促すため。このリフレッシュで付くべき場所に筋肉が付いた。6キロ増(前走時)という数字以上にパワーアップした。「出走すれば注目を集める血統。力を出せる状態で出したかった」。馬体の成長とオークスへの残り時間を計りながら、勝負を懸けて送り出したのが前走だったというわけだ。

 出走にこぎ着けたからには、狙うは頂点だけ。「全身バネでしなやか。走りも窮屈なところがない」とまずは体つきをアピールした。最大の魅力は距離、コース。何と言っても父はダービー馬ディープインパクト。母エアグルーヴ、祖母ダイナカールも制した東京2400メートルは、いわば約束の地だ。「クラシックに強い血統。大舞台でこそ底力を発揮するはず」と同助手は力を込めた。

 普段から鞍上の指示に従順。どんな流れでも折り合えるセンスを秘める。17日の坂路(4F63秒1)も、ゆったりとした脚さばきが印象的だった。「まだ完成前で初の長距離輸送も待っている。だが、万全の状態で出走させ、ぜひとも母、祖母の歩んだ道を追いかけたい」。清山助手は力強く結んだ。

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2011年5月18日のニュース