【根岸S】セイクリムズン“余裕差し”重賞連勝!

[ 2011年1月31日 06:00 ]

<根岸S>ダノンカモン(右)との競り合いを制したセイクリムズン

 ダート界に新星登場だ!「第25回根岸S」が東京競馬場で行われ、2番人気のセイクリムズンが直線で鋭く伸びて快勝。3連勝&重賞連勝でフェブラリーS(2月20日、東京)の主役候補に名乗りを上げた。

 直線を向いてすぐに、セイクリムズンの幸は確かな手応えを感じ取った。前が開いて外に持ち出す。「出した瞬間にハミが掛かって、勝ったかなと思った」。一完歩ごとに前を行くダノンカモンとの差を詰め、残り150メートルからは一騎打ち。「乗っている方としては、ちょっと余裕がある感じだった」と追い比べでライバルを競り落とすと、最後は1馬身1/4差をつけてゴールを駆け抜けた。

 これで重賞連勝。昨年の根岸Sは7着だったが、精神面で成長を遂げて完全に本格化した。幸は「以前は引っ掛かるところや気を抜くところがあったが克服したし、馬混みに入っても競馬ができるようになった」と目を細めた。この日も最内枠から中団の内をスムーズに追走できたことが直線の伸びにつながった。

 今後は胸を張ってフェブラリーSに向かう。最大のポイントは距離。これまでの実績は1200~1400メートルに集中しており、1600メートルは1戦(ヒヤシンスS=7着)しか経験がない。それでも陣営は克服に自信満々だ。服部師が「ズブい面が出てきて、今は1200メートルではちょっと短い。適性が1400~1600メートルに変わってきている」と言えば、幸は「最後もしっかり伸びているし問題ないと思う」と話した。

 服部師&幸と言えば、真っ先に思い出されるのがブルーコンコルド。交流G1を7勝したが、フェブラリーSは07、08年と連続2着に泣いた。

 師は「ブルコンは小回りのコーナーでの加速が別格だったけど、こちらは広いコースでノビノビ競馬をするタイプ」と“雪辱”に意欲的。幸も「ブルコンも徐々に力をつけていったし、いい先輩を追いかけてほしい。今の感じならいい勝負ができると思う」と期待を寄せた。

 同じ東京での前々走・霜月Sも2着に5馬身差の完勝と、コース適性は証明済み。距離さえ克服できればG1制覇も夢ではない。師は「気が弱いから、3週間後は静かにしておいて」と冗談めかしたが、その希望はかないそうにない。

 ≪G1制覇パターンだ!≫根岸Sが1~2月開催となった01年以降、勝ち馬10頭中9頭が同年のフェブラリーSに出走。01年ノボトゥルー、05年メイショウボーラーがG1制覇を果たした。2頭は共にダート1200メートルを勝って根岸Sで連勝しており、同じパターンのセイクリムズンも期待大?

 ◆セイクリムズン 父エイシンサンディ 母スダリーフ(母の父サウスアトランティック)牡5歳 栗東・服部厩舎所属 馬主・金田成基氏 生産者・北海道様似町清水スタッド 戦績23戦8勝 獲得賞金1億9539万8000円。

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