【フィリーズレビュー】ラブミーチャン笠松の夢!

[ 2010年3月9日 06:00 ]

森崎厩務員とラブミーチャン

 ≪桜切符つかめ1≫オグリキャップやライデンリーダーなど、名馬を多数輩出した地方の雄・笠松競馬(岐阜県)から再び、スター候補が登場した。今週末のフィリーズレビューで桜花賞の権利獲りを目指すラブミーチャン(牝3=柳江仁)。6戦無敗、オール逃げ切りVという快速娘の挑戦を4回の連載で追う。

 95年、11戦無敗でフィリーズレビュー(当時は4歳牝馬特別)を制し、桜花賞へ堂々と駒を進めたライデンリーダー。あれから15年。社会現象にもなった地方の女王を送り出した笠松から再び、無敗で同じ道を歩む快速娘が現れた。ラブミーチャン。勇猛なイメージの先輩とは対照的な、かわいらしい名前だが、パフォーマンスは強烈。京都の500万下をレコードでブッチ切り中央勢を一蹴。ダートの2歳チャンピオンを決める交流G1全日本2歳優駿も制し、2歳馬として史上初めてNAR年度代表馬にも選出された。トライアル出走までの10戦が、すべて地元馬同士だったライデンより、実績は上だ。
 ラブミーチャンは、中央デビューを目指し、一度は栗東トレセンに入厩。だが、坂路を満足に登ることができず、強豪ひしめく中央では勝負にならないと、昨年7月、笠松の柳江厩舎へ移籍した。「トモ(後肢)と胸前が、がっちりして首も太い。パンチの効いた体」というのが柳江師の第一印象。フラフラと歩く姿は変わらなかったが、コースでピッチを上げるとフットワークは悪くない。デビュー前の能力試験も「手前(軸脚)をうまく替えられない」状態ながら、4F50秒0の好タイムで合格。「加速も凄かったし、結構走るかな」。その後の活躍は師の淡い期待を、はるかにしのぐものだった。
 年明け初戦となった地元重賞のゴールドジュニア(2月12日)は、調教らしい調教をしないまま、2馬身差の楽勝と、まずは幸先のよいスタートを切った。レースを察知すると自らテンションを高めていくタイプで、9日に予定されている最終追いを、いかに落ち着いてクリアするかが、権利獲りへの最初の関門となる。

続きを表示

2010年3月9日のニュース