黄門 去年よりGoodババ/安田記念

[ 2008年6月4日 06:00 ]

香港勢の総大将グッドババは全身にたっぷり筋肉がついているものの、均整が取れているために鈍重な印象は全くない。文句なしに一級品の体です

 春のマイル王を決める「第58回安田記念」の馬体診断で“美浦黄門”こと境勝太郎元調教師は、3頭が参戦してきた香港勢に、そろって高い点数をつけた。中でも、現在G14連勝中と充実一途のグッドババを強力プッシュした。日本勢で人気を集めそうな馬たちには一様に辛口ジャッジ。香港勢の上位独占まであるとの結論だ。

 国際レースにおける“地の利”というのは想像以上に大きいものです。長距離輸送、慣れない環境、馬場の違い…。遠征する馬のハンデは決して少なくない。安田記念が東京競馬場を舞台に行われる以上、外国馬は割り引き、日本馬には上乗せした評価が必要です。
 しかし、今年のメンバーで人気を集めそうな日本馬3頭(ウオッカ、スーパーホーネット、スズカフェニックス)は、どれも馬体に高い点数を与えられない。それに対し、3頭が遠征してきた香港勢はケタ違いに素晴らしい馬体の持ち主ばかり。アウェーのマイナス分を差し引いても、今年は香港勢が断然上位です。
 中でも飛び抜けて良くみえたのが大将格のグッドババ。外国馬は検疫中で調教時の写真しかチェックできませんが、それでも十分に凄さが伝わってくる。全身にたっぷり筋肉がついているものの、均整が取れているために鈍重な印象は全くない。動きのある写真のおかげで、間節の柔らかさもはっきり分かる。これは文句なしに一級品。昨年の安田記念(7着)時にも同じ48点をつけましたが、一段と完成度が高まっている印象。G1・4連勝中という近況も素直にうなずけます。
 ブリッシュラックも9歳とは思えない若々しいつくりをしており、力強さという面ではグッドババ以上かも。3頭の中では実績面で一枚落ちるアルマダも、相当なパワーとスピードを感じさせる馬体をしている。いずれ劣らぬ強豪ばかり。今年は日本勢には厳しい戦いになるかもしれません。(スポニチ専属評論家 元JRA調教師 境勝太郎)

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2008年6月4日のニュース