仲野太賀 大河初主演に導く父・中野英雄の教え「どんな仕事でも手を抜くな」10代で仕事観変化

[ 2026年1月4日 05:00 ]

「豊臣兄弟!」でNHK大河ドラマ初主演、インタビューに答える仲野太賀(撮影・尾崎 有希)
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 【過去と未来の交差点】新連載「過去と未来の交差点」をスタートします。著名人にここまでの道のりを支えてくれた人や言葉、出来事を振り返っていただき、未来に懸ける思いを大いに語っていただく企画です。1回目は4日に初回放送を迎えるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」で主人公の豊臣秀長を演じる仲野太賀さん(32)です。俳優人生で大切にしているのは、父で俳優の中野英雄さん(61)の言葉でした。(吉澤 塁)

 「“どんな仕事でも手を抜くな。誰かが見ているぞ”。父の教えです」

 10代の頃、オーディションに落ち続け、役に恵まれない日々が続いた。そんな時に父の英雄からもらったアドバイスだった。そこから仕事への意識が変わり、現在のキャリアにつながったという。

 「父とは普段仕事の話はしませんが、この言葉は忘れられません。どんな仕事でも真剣に向き合うことで次につながる。当時はピンときていませんでしたが、本当にそんなことがあるんだなと今になって実感しますね」。真剣に役と向き合う仲野の芝居を見た関係者が、次の作品に出てほしいと声をかける。その連鎖で今年でデビュー20年の節目を迎えた。

 一見すると素朴で謙虚な好青年に見えるが、演技になると表情ががらりと変わる。どこにでもいそうなサラリーマンから成り金の美容外科医まで演じる役の幅は広い。シリアスな作品もコメディーも、何でもござれのカメレオン俳優となった。「今でも“もっとうまく演じられたら…”と悩むことは多いです。それはきっと、どれだけキャリアを重ねても変わらないんでしょうね」。ストイックな姿勢はデビュー時から変わらない。

 そんな中で射止めた大河ドラマの主演。大河は2007年の「風林火山」で初出演し、今作で6作目。「これまで主演の方を見てきて、いつか自分も主演を務めたいと思っていました。ついにここまで来たんだと感じましたね」と万感の思いをのぞかせた。

 大河の主演を務められる俳優は1年に1人だけ。だからこそ役者として成長すればするほど、主演の夢がはるかかなたにあることを実感していった。「気がつけば大河主演の目標は頭の片隅に追いやられていました。今回もまさか自分が選ばれると思っていなかったので、決まった時は今まで関わってきた全ての方の顔が浮かんできましたね」とオファー時を回想。「父も自分のことのように喜んでいました」と照れくさそうにほほ笑んだ。

 今作は天下人となる豊臣秀吉を補佐し“名参謀”と呼ばれた弟の秀長が主人公。現在は撮影の真っただ中で、「現場は常に明るく楽しく和やかでいたいと思っています」と座長として雰囲気づくりも大切にしている。秀吉役の池松壮亮(35)とは常に会話しながら役作りを行っている。初共演となる織田信長役の小栗旬(43)については「精神的支柱で、常に刺激をもらっています」。共演者たちとの交流も支えとなっているようだ。

 撮影は約1年半の長丁場。既に半年が経過したが「大河ドラマの撮影は短距離走じゃなくてマラソンなんだな…」としみじみ。「今はまだ撮影が終わった瞬間を想像することもできませんが、今のこのチームで“やって良かったね”と称え合えるような作品になったら幸せですね」と思いをはせた。

 作品は4日に初回が放送される。「目まぐるしいくらいに有名な武将が登場する王道の大河ドラマ。青春活劇のような誰もが楽しめるエンターテインメントになっています」。天下獲りへの物語がいよいよスタートする。

 《“共通点”多い秀長役》初回放送では、農民として生きる秀長が、秀吉に巻き込まれ戦国の世の中に身を投じていく過程が描かれる。「秀吉というカリスマが近くにいる秀長だからこそ見えた景色があったのだと思う」と思いをはせ、「貧しい生活の中にもあるたくましい生命力を表現していきたい」と力を込めた。作中での秀長は争いを嫌い、知恵でもめ事を解決していく。「現在も争いは絶えないし、秀長のような人がいたらもっと平和な世の中になると思う。僕自身も争いは嫌いだし、次男なのでどこか秀長と共通する部分はあると思う」と自身を重ね合わせていた。

 ◇仲野 太賀(なかの・たいが)1993年(平5)2月7日生まれ、東京都出身の32歳。2006年にフジテレビ「新宿の母物語」でデビュー。16年の「ゆとりですがなにか」(日本テレビ)、同年のTBS日曜劇場「仰げば尊し」などの演技で俳優としての地位を確立。22年にエランドール賞新人賞を受賞した。

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