憧れを喰らい、衝動を血肉に変えた——RAZOR・猟牙 焼けつく喉で嗤う“破滅美”の真髄

[ 2025年11月29日 15:00 ]

【画像・写真】「全員化け物だな」――RAZOR・猟牙が見たネット社会と“人間の狂気” 「In CREATURE」に込めた祈り
Photo By 提供写真

 5人組ロックバンド「RAZOR(レザー)」のボーカル・猟牙(りょうが)が、10月にリリースされた新曲『In CREATURE』を携え、全国ツアーの合間にオンライン取材に応じた。画面越しに現れたのは、刹那の輝きに身を焦がしながら、ステージに向かうボーカリストの表情だった。(ヴィジュアル系特集取材班)

「全員化け物だな」――RAZOR・猟牙が見たネット社会と“人間の狂気” 「In CREATURE」に込めた祈り

 10月中旬に始まった全国ツアー。千葉・柏、仙台、名古屋と3都市をまたぎ、怒濤の6日間連続ライブを走り抜けた。悲鳴を上げる肉体にムチを振るい、最後のステージを終えた楽屋には、まだ熱気と汗の匂いが残っていた。タオルで顔を拭いながら、猟牙は深く息を吐く。喉は焼けつくように赤く、それでも彼は笑った。まるで、限界の自分さえあざ笑うように。

 「忙しいのも、喉がやばいのも、全部楽しんじゃえ」。そう言い聞かせて肩をすくめるその姿に、極限を楽しむ“破滅的な美学”がにじんでいた。

 インタビューでその場面を改めて振り返る。「スケジュールはめちゃくちゃハードだったんです。その時、喉とか心配はあったけど、モヤモヤ悩むより“もう、考えずにやろうぜ!”って。あの6日間を乗り越えて、改めて自分に言い聞かせましたね」。

 限界を超えてなお笑う。その背中には、少年の頃から抱き続けた“衝動”が息づいている。

 音楽との出会いは、幼い日のリビング。テレビに映っていたのは伝説のバンド「BOØWY」。メイクを施した氷室京介の姿に、少年の心は釘づけになった。

 「化粧してる男の人って、なんでこんなにかっこいいんだろう」

 “男らしさ”でも“女らしさ”でもない、もっと自由で衝動的な美しさ。その憧れがやがて音楽への情熱へと変わっていった。

 最初に手にしたのはギターだったが、「弦を張るのがめんどくさくて(笑)」すぐにやめた。唯一飽きずに続けられたのが“声”だった。

 「DIR EN GREYの京さんをカラオケで真似したら“うまい”って言われたんです。ほかにも氷室さんやLUNA SEAのRYUICHIさんの歌い方を真似していくうちに、自分の歌い方ができてきた感じですね」

 RAZORの楽曲では、歌録りに立ち会うギターの剣(つるぎ)と相談しながら声の表情を作る。「hydeさんっぽく歌ってみて」「京さんみたいに」と言われることも少なくない。

 「思いきりモノマネしたら『めっちゃええわ』って(笑)。誰かの真似から始まった声が、いまの自分を作ってるんですよ」

 憧れを喰らい、衝動を血肉に変えてきた。それが猟牙の歌声だ。

 「今も中学生の頃とマインドは変わってないです。DIR EN GREYを口ずさむ時もつい真似しちゃうし、子どもの頃の“楽しさ”がずっと続いてる感覚ですね」

 楽しむ力。それこそがどんな苦境に見舞われようと、何度もステージへと立ち返らせてきた原動力だ。

 人気商売だけに商業的に数字が伸びず落ち込んだ時期もあった。でも、離れられなかった。

 「バンド以上に面白いものが他にないから」

 ライブで声を張り上げる瞬間、全身が燃えるように熱くなる。長髪を振り乱す客席と熱がぶつかり合うあの空間で、猟牙は“生きている”と実感する。

 「本当に心の底からテンションが上がるのは、やっぱりライブなんですよね。自分の人生を充実させるためにも、バンドは必要不可欠なんです」

 過酷なスケジュールに、焼けつく喉。それでも「楽しい」と言い切る猟牙の芯には、あの日のままの衝動が息づいている。

 「とにかく楽しく生きてたい。人生いろいろあるけど、もういいやって思えるくらい、自分が笑っていられるようにしたい。それだけです」

 忙しさも、痛みも、限界すらも“楽しむ”。その笑みの奥に、破滅を恐れない“生”の輝きがあった。だからこそ、RAZORという刃のような音は、聴く者の心を鋭く切り裂いていく。

「【ヴィジュアル系特集】独占ソロインタビュー&ライブレポートまとめ!関連ニュースも随時更新」特集記事

「美脚」特集記事

芸能の2025年11月29日のニュース