【岸本加世子 我が道・番外】撮影現場でダメ出し「岸本加世子0点、森繁さん30点」

[ 2025年11月10日 07:00 ]

「夢一族 ザ・らいばる」の上映イベントには森本太郎さん(左)、岸部一徳さんもいらしてくださいました
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 スクリーンデビュー作となった「夢一族 ザ・らいばる」は久世光彦さんの初監督作品です。6月29日に東京・池袋の新文芸坐で「岸本加世子の軌跡と奇跡~作品とめぐる旅」と題した上映イベントがあり、トークショーに参加しました。

 1979年、19歳の時に出演した作品は、森繁久弥さんと郷ひろみさんの共演も話題を呼んだ一本。84歳の老いた結婚詐欺師(森繁さん)と24歳の若者がコンビを組んで繰り広げるコメディーです。
 トークショーのゲストには久世作品の音楽を多く手がけたザ・タイガースのメンバーで音楽プロデューサーの森本太郎さんもいらしてくださいました。

 撮影現場で久世さんが「いまの演技は岸本加世子0点。(森繁先生に対しても)森繁久弥さんは30点」などとダメ出し。これも現場の雰囲気を和らげようとした久世さん一流の演出方法。「ムー」や「ムー一族」で共演した樹木希林さんともども「ここで言っておかないと先々苦労するから」と本気で訓練していただいたおふたりには、いまさらながらに感謝しています。

 劇場には同じ事務所の先輩、岸部一徳さんも来てくださいました。一世を風靡(ふうび)したザ・タイガースのサリー(岸部さん)とタロー(森本さん)の時ならぬ2ショットにファンは大喜びでしたね。

 映画といえば、北野武監督との出会いが大きいですが、たけしさん以外にも素敵な監督たちの作品に参加しています。1981年10月3日に封切られた「悪霊島」では篠田正浩監督の演出に触れました。篠田監督といえば、私が20歳の時、同じ年のボクシング4回戦ボーイを追ったテレビのドキュメンタリーにナビゲーターとして起用してくださった方。今年3月25日に94年の生涯を閉じられました。残念です。

 「悪霊島」は横溝正史の同名小説が原作。瀬戸内海のある島で起こる連続殺人事件を金田一耕助が解明していく内容で、私は「真帆と片帆」という双子を演じました。

 同じ81年12月29日には「男はつらいよ 寅次郎紙風船」が初日を迎えました。マグロ漁船に乗っていた私の実父のエピソードを盛り込んでくださった山田洋次監督の優しさには胸が熱くなりました。さらに「秘密」(99年公開)の滝田洋二郎監督は、のちに「おくりびと」で本場のアカデミー賞外国語映画賞(現・国際長編映画賞)を受賞しています。素晴らしい監督たちの現場を経験できたことは財産です。

 映画はありませんでしたが、市川崑監督とはCMでご一緒させていただきました。クレジットカードだったかな?…もう40年以上も前の話で、何のCMだったか覚えていませんが(笑い)、巨匠と呼ばれる方たちとの出会いに感謝しております。

 ◇岸本 加世子(きしもと・かよこ)1960年(昭35)12月29日生まれ、静岡県島田市出身の64歳。77年、テレビドラマ「ムー」で女優デビュー。以降、テレビ、舞台、映画、CMなどで幅広く活躍。ドラマ「あ・うん」、舞台「雪まろげ」、北野武監督の映画「HANA―BI」「菊次郎の夏」など代表作多数。著書に小説「出てった女」、エッセー「一途」など。

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