高岡早紀 11年ぶりの大河ドラマ 横浜流星との初共演は「楽しい」

[ 2025年7月22日 11:00 ]

カメラに向かってほほ笑む高岡早紀
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 【牧 元一の孤人焦点】NHK大河ドラマ「べらぼう」で主人公・蔦屋重三郎(横浜流星)の母・つよを演じている俳優の高岡早紀(52)がインタビューに応じ、自身の芝居について語った。

 ──つよの初登場シーン(7月6日放送の第26回)が鮮烈でした。
 「私の撮影の初日でした。初日の緊張感と、つよが二十数年ぶりに子供に会う緊張感が相まって良いシーンになったと思います」

 ──第26回で蔦重はつよに対して何回も「ばばあ」と言いました。
 「プライベートも含めて初めて言われる言葉でした(笑)。でも、彼が親しみを込めて言っているように聞こえますし、私自身も『おっかさん』と言われるより親しみを感じます。脚本に書かれている以上に『ばばあ』と言われている気もするのですが、楽しんでいます」

 ──キャスティングの妙で、高岡さんが「ばばあ」に見えない役者だからこそ、そのセリフが生きるのだと思います。
 「でも、まさか『ばばあ』と言われる脚本が出来上がってくるとは想像しませんでしたね(笑)」

 ──出演が決まった経緯は?
 「NHKに別の仕事で行った時、偶然、制作統括の藤並英樹さんにお会いしました。藤並さんとは『タイトロープの女』(2012年放送のドラマ)でご一緒していたので『久しぶり』とあいさつして別れたら、次の日に連絡が来て『母親役をやりませんか?』と依頼されました。横浜流星さんの母親をやりたいと思ったので『光栄です』と引き受けました。ご縁を感じましたし、本当にうれしかったです」

 ──つよをどのように演じようと思いましたか?
 「打ち合わせの時、『人たらし。人の懐に入るのがうまい人』という説明を受けたので、その感じを大切にしようと思いました。人の懐に入るのがうまいというのは私のことを見て設定したの?人たらしって何なの?とは思いましたが(笑)」

 ──役作りは?
 「その人物の設定や年表を理解するのは当然のこととして、もう少し大きなところで捉えます。その上で徐々にそぎ落とし、ぎゅっと固める。脚本や相手の俳優さんの雰囲気、いろんな言葉、いろんな物を拾って凝縮させていく。今回も、つよがまだ登場しない初回の脚本から読み、放送で蔦重の雰囲気や生きざまを見ながら作っていきました。私は役を固めるのが割と遅い方です」

 ──現場で横浜流星さんと対面して変わる部分もある?
 「それが役作りの集大成です。事前に頭で何を考えようが、何をしようが、実際に会ってみないと答えは出ません。会って感じて、いろんな要素を付け加える。これはあまり言いたくない昔話ですが、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(1994年公開の映画)の時、深作欣二監督に『きみは本番しかやらないね』と指摘されました。リハーサルはあくまでもリハーサルで、大切なのは本番です。あの映画では死ぬほどリハーサルをして、本番ぎりぎりまで役作りをしていました。私は舞台の稽古のようにリハーサルを積み重ねることが嫌いではありません。いま話していて、それだったら学校の勉強も積み重ねておけば良かったと思いましたが(笑)」

 ──初共演の横浜さんとの芝居はいかがですか?
 「初登場シーンでうまくかみ合ったと思います。2人は二十数年も離れて生きてきたにもかかわらず再会すると一気に結びつく。『ばばあ』という言葉から、憎しみではなく『お母さんがやっと来てくれた』という心の叫びが聞こえる。あの瞬間、2人に通い合うものがあったと私は感じました。うちの息子たちより横浜さんの方が少し年齢が上ですが、彼とお芝居をしていても、撮影の合間に現場で話していても、息子とキャーキャーやっているような感覚になります。横浜さんのご家族の話を聞くと、お母さんのことが大好きな感じが伝わってきます(笑)。そんな2人なので、自分で言うのも何ですが、良いキャスティング、良いマッチングだと思います。彼とお芝居をするのは楽しいです」

 ──大河ドラマ出演は「元禄繚乱」(1999年)、「軍師官兵衛」(2014年)以来、11年ぶり3回目です。
 「プロデューサー、演出、スタッフに知り合いが多いので、思い出話に花を咲かせています。思い出話に花を咲かせられる現場はありがたい(笑)。私が出演したのは第26回からで、撮影が長く続いて現場が温まっているところに入っていくのは、どんなにキャリアを重ねても不安なものですが、今回、京都の撮影所のように『おかえり』『ただいま』という感じで入ることができて、心強かったです」

 ──敷居が高いはずの大河の現場にすんなり入るところが高岡さんらしいです。
 「それは、つよの『人の懐に入るのがうまい』に結びついていますね(笑)」

 ──久しぶりに時代劇で芝居する印象は?
 「かつらを被ったのが久しぶりで、新鮮でした。時代劇でもこれまでは絹のきれいな着物を着ていましたが、今回は庶民の役で綿の地味なものなので、それも新鮮でした。着物を着ると、つい背筋を伸ばして上品に動いてしまいますが、今回は背中を丸めて座ったり袖から腕をニョキッと出したり、これまでとは違う所作をしています。初めての試みをさせていただいています」

 ──高岡さんの新たな魅力をこの作品で堪能できそうです。
 「いろいろな役をやる度に『新たな一面を見た』と言っていただけるのはとてもうれしいです。古くからの知り合いが多く、私のことを理解してくれている人がいるからこそ、新しい役に臨ませてくれるのだと思います。見ている方々には新境地に映るかもしれませんが、私としては、それらは私の中にあるものでしかありません。長く生きれば生きるほど、新しい何かがまた私に加わっていきます。まだまだ皆さまの知らない高岡早紀がいっぱいいるはずです」

 <ライブ開催>10月11日午後4時30分から東京・恵比寿ザ・ガーデンホールでライブを行う。2022年から開催され好評の「EBISU JAM」の2日目に出演するもので、ライブのタイトルは「Saki Takaoka ~Autumn Note~ EBISU JAM 2025」。全席指定9900円。ドリンク代別途必要。未就学児入場不可。ファンクラブ「But Beautiful」会員限定チケット先行受け付け中(7月27日まで)。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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