玉三郎と小朝のジョイントに酔いしれた!

[ 2025年7月9日 15:41 ]

坂東玉三郎と春風亭小朝の共演舞台のチラシ
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 【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】歌舞伎俳優の坂東玉三郎(75)と落語家の春風亭小朝(70)がタッグを組み昨年7月の東京・歌舞伎座などで上演して好評を博した舞台「『越路吹雪物語』&落語芝居『牡丹燈籠』」が今年も6月6~9日の京都南座から始まり、東京、福岡(7月17日)、熊本(7月18日)と公演が続く。

 東京・世田谷区の昭和女子大学人見記念講堂で7月6日に行われた公演に足を運んだ。同大学は詩人の人見圓吉がトルストイの唱えた“愛と理解と調和”を理想にして教育の道を歩み始めた。2000年に建立されたというトルストイ像を仰ぎ見たり、スマホで写真を撮りながら観客が会場入りしていた。

 前半は三遊亭円朝作で、「カラン、コロン」の下駄の音でもおなじみの「牡丹燈籠」から「お札はがし」をコラボレーション。小朝の語りに、玉三郎が「お露」「お峰」「お米」の3人の女を「素噺」で披露。上手と下手に分かれた2人の掛け合いが見事で、ぐいぐいと引き込まれた。

 休憩を挟んで上演された「越路吹雪物語」は小朝の創作落語がベース。もうずいぶん前になるが、確か改装前の東京会館で聞いた記憶がある。その時も越路さんの知られざる人生に思いを致したが、それを立体的に表現したのが今回の魅力だ。

 越路さんの生誕100年に当たった昨年のステージに新たな演出が加わった。生い立ちから、作詞・翻訳家で一時マネジャーも務めた岩谷時子さんとの出会い、作曲・編曲家で最愛の夫の内藤法美(つねみ)さんとの生活ぶりなどを小朝が語りで披露。その合間に玉三郎が「ラストダンスは私と(に)」「白い夜」「ラ・ビアン・ローズ」など越路さんゆかりのシャンソンを熱唱していく構成。とりわけラストに歌い上げた「愛の讃歌」には鳥肌が立った。

 小朝は公演チラシに「玉三郎さんが唄うシャンソンと私の語りがひとつになることで、天国の越路さんが喜んで下さるような作品に仕上がったと思います。本日ご来場のお客様には、<お札はがし>で玉三郎さんが演じる透明感のあるお米に、そして歌の向こうに浮かびあがってくる越路吹雪さんの幻影に心を奪われて下さいませ」と書き添えていたが、その言葉通りに心を奪われた。

 それにしてもジャンルの違う人間国宝との共演を発案し、それを実現させてしまう小朝の企画力と信頼度の大きさには改めて脱帽だ。次はどんなものを見せてくれるのか楽しみは尽きない。

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