スタジオカラー 新作アニメ「シュガシュガルーン」 魔女の恋物語で新たな色

[ 2025年7月6日 05:20 ]

松井祐亮氏が初監督を務める安野モヨコ原作の新作アニメ「シュガシュガルーン」。短編がパリで上映された(c)MoyocoAnno/khara
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 パリで開催中の「JAPAN EXPO」で新作アニメ「シュガシュガルーン」の制作を発表したスタジオカラーの松井祐亮監督がスポニチ本紙の取材に対して「はやりに乗らず普遍的に良いものを目指す…を意識しています」と語った。原作漫画を描いた安野モヨコ氏との話し合いを重ねる中で強めた思いだという。

 松井氏は今作が「本編では初めてと言っていいかもしれません」という監督作。オープニングやエンディングの監督を務めたことはあるという。

 パリの会場では、藤原滉平プロデューサーが、松井氏を「カラーには才能を持った若手がいる。新しい才能を広げるタイミングだった」と紹介。スタジオカラーは「エヴァンゲリオン」シリーズの監督で社長の庵野秀明氏や、春アニメで話題を呼んだ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)の鶴巻和哉監督らが有名だが「カラーの新しい可能性を作品を通して見てほしい」とフランスのファンに語り掛けた。

 「シュガシュガルーン」の作風もこれまでのカラーにないものだ。巨大な人型兵器が登場し、複雑な世界観の中で登場人物の繊細な心情が描かれるエヴァや、ジークアクスとは対照的な恋愛ファンタジー。魔界のクイーンを決めるため、小さな魔女2人が人間界で試験を受ける。2005年にテレビ東京でアニメ化され、今年は20年の記念イヤーだ。

 原作の安野モヨコ氏は「ハッピー・マニア」「働きマン」「オチビサン」などで知られる人気漫画家。庵野氏の妻でカラーの取締役でもある。女性が可愛く格好良く、そしてパワフルに恋愛を楽しむ姿を描き、00年代を中心に20、30代女性の絶大な支持を得た。

 松井氏は、安野氏から「しっかり道徳として人生の勉強になるような内容で、まだ不安定な時期や、人生に悩んでいる方が作品を読んだ時に、少しでも指針になるような作品作りをしている」と聞いたという。そこから「見た人が“何か生きていく糧”になる作品を目指したいと考えるようになった。そんな作品哲学から格好いい、可愛いが生まれてくると思う」と思うに至ったという。

 安野作品といえば、ファッションも魅力で、今作でもバッグや小物をデザイン。魔女のショコラとバニラの性格を踏まえたディティールや配色を、松井氏で話し合って決めているという。「布の質感や金属の色もバランスを意識した」と松井氏。特に黒を美しく見せるかに腐心したそうで「画面に映ったとき、黒はつぶれやすいので避けられがちですが、あえて黒を黒として表現するよう意識した」と強調する。

 CG技術も腕の見せどころだ。「CGは圧倒的なディテールが担保できる。特に装飾品がたくさんある服や細かいアクセサリー、アイテム、そして髪形など、作画では描きやすさを優先して省かれる傾向にある。そういう意味でCGなら、モヨコさんのデザイン強度を保ったまま表現できる」と意気込む。

 カラーは新旧ガンダムファンを巻き込んだ「ジークアクス」がX(旧ツイッター)のトレンド上位を独占する盛り上がりを見せたばかり。新たな監督、新たな世界で、さらなる盛り上がりが期待される。

 ○…ホラー漫画家の伊藤潤二氏(61)による新作アニメ「伊藤潤二『クリムゾン』」の制作が決定したことも発表された。伊藤氏は漫画界のアカデミー賞と称される米国のアイズナー賞を4度受賞するなど世界的に活躍。18年の「コレクション」、23年の「マニアック」に続く第3弾で、今回は「怪物」をコンセプトに、これまでの傑作漫画がアニメ化される。伊藤氏は本紙の取材に「またアニメ化されてうれしい。松任谷由実さんがオープニング曲を担当するぜいたくなアニメです」とアピールした。

 ▽スタジオカラー テレビアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」などの制作で知られるガイナックスの取締役だった庵野氏が、06年に設立した制作スタジオ。アニメ映画では「ヱヴァンゲリヲン」の新劇場版シリーズや、今年1月公開の「機動戦士Gundam GQuuuuuuX Beginning」などで知られる。特撮映画も製作。22年には「シン・ウルトラマン」、23年には「シン・仮面ライダー」を公開した。また安野モヨコ氏の漫画「オチビサン」も23年にNHK総合でテレビアニメ化。同社の社名のロゴは安野氏が手がけている。

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