「あんぱん」次郎役・中島歩 病床シーン6キロ減量“鈴木亮平メソッド”に感謝「講座も開いて(笑)」
「あんぱん」若松次郎役・中島歩インタビュー(3)
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女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は23日、第61回が放送され、俳優の中島歩(36)が好演している主人公の夫・若松次郎が危篤に陥った。中島に撮影の舞台裏をインタビュー。病床シーンに臨むにあたり、約1週間で6キロの減量を敢行したと明かした。
<※以下、ネタバレ有>
「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。
中島の朝ドラ出演は、ヒロイン・安東はな(吉高由里子)の親友・嘉納蓮子(仲間由紀恵)と恋に落ちる帝大生・宮本龍一役を演じた2014年度前期「花子とアン」以来11年ぶり2回目。脚本が中園氏、チーフ演出が柳川強監督という今作のタッグも「花子とアン」と同じになった。
今回演じたのは、朝田のぶ(今田美桜)の夫となる一等機関士・若松次郎。父親はのぶの父・朝田結太郎(加瀬亮)の知人で、機関長。次郎本人も結太郎と船上で会ったことがある。戦争が激化したため、貿易や旅行ではなく、兵隊や軍需物資を運ぶための航海に出るようになった。
主人公のモデルとなった暢さんが戦前、お見合い結婚をしていた史実はあまり知られていないが、その相手が6歳年上の小松総一郎さんだったと、昨年、高知新聞社の記事で判明。制作スタッフが高知に飛んで関係者を取材し、総一郎さんの職業(海運会社勤務)や趣味(カメラ)を脚本に反映した。
第61回は終戦から5カ月が経ち、1946年(昭和21年)1月。GHQ指導の下、国民学校は軍国主義教育からの転換が図られ、教科書の該当部分は墨塗りが進められる。若松のぶ(今田美桜)は病が一向に回復しない若松次郎(中島歩)の見舞いに、海軍病院に通っていた。努めて明るく振る舞う中、教師を辞めたと打ち明ける…という展開。
のぶ「次郎さんのせいではありません。うちは、子どもらあに間違うたことを教えてきました。日本は必ず勝ちますと。男の子には、立派な兵隊さんになって、お国のために頑張りなさいと。あの子らあの澄んだ目を見たら、何ちゃ言えんなってしもうて。その時、うちはもう、教壇に立つ資格はないと思うたがです」
次郎「君らしいね。僕も、船の上から戦況を見て、この戦争は悲惨なものになると思うちょった。けんど、何もできんかった」
のぶ「うちは、子どもらあまで、巻き添えにしてしまいました」
次郎「やっと終わったがやき、これからの話をせんかい」「今は、もっと大事な夢ができた」
のぶ「もっと大事な(次郎は何かを書き始める)。何ですか、その記号?のようなもの」
次郎「(日記に書いた文字を見せ)何やと思う?」
のぶ「字でもないし、絵でもない。不思議な模様のような」
次郎「(検査の時間になり)今度、教えちゃうき」
訪れた若松節子(神野三鈴)によれば、次郎が書いていたのは「速記」。「次郎は学生の頃から、珍しいものに興味を示すが。写真やら速記やら、主人がおまんは将来スパイにでもなる気か?って聞いたことがあるがよ」。のぶとの会話が台所で弾む中、電報が届く。「ワカマツジロウサマ キトク スグコラレタシ」――。
最初に台本を読んだ時の印象について、中島は「もう危篤になってしまうんだ、と。次郎はのぶと戦後のことを語り合い、希望を見い出してきましたけど、その真逆ですから。のぶを悲しませてしまうことが、次郎にとっては非常につらいなと思いました」と無念の一方、「のぶが戦後を生きていく上で、最後の最後まで彼女を勇気づけないといけない。それが次郎に託された役割ですよね」と捉えた。
病床シーンに臨むにあたり、中島は減量に挑戦。もともとスリムだが、そこから約1週間で体を絞り、6キロ減に成功した。
クランクイン前の打ち合わせ。柳川監督とは「最終的にコッソリ痩せられたら」という話になったが「自分は健康志向が強いので、最初はあまりやりたくはなかったんです。気が向いたら、ぐらいに思っていたんですけど、だんだん気が向いてしまって(笑)。いつも以上に自分の心が震えていないと通用しない脚本でしたし、中園さんの言葉に魂を宿らせなければと向き合いました」。アドバイスを仰いだのは「花子とアン」でも共演した鈴木亮平だった。
鈴木といえば、作品毎に体重を増減。俳優界きっての“肉体改造のプロ”。「凄く勤勉な方で、今までの成功例と失敗例を全部、具体的にまとめられていたんです。こうすると、減量はできても、撮影当日に集中できなくなるから、こうしましょう、とか。それを教えていただいて、その通りに食事制限と水抜きで痩せられて。その上で撮影も元気に、無事に終えられたので、本当に助かりました」と感謝した。
「僕は1日だけの撮影でしたけど、減量した状態で何日もあると大変ですよね。我流だと、危険ですし。亮平さんのメソッドはみんなに共有されるべきですし、講座も開いてほしいぐらいです(笑)。柳川さんも『素晴らしい!』と褒めてくださったので、チャレンジしてよかったなと思います」
美輪明宏演出・主演の舞台「黒蜥蜴」のオーディションで相手役に選ばれ、13年に俳優デビュー。「花子とアン」がテレビドラマのレギュラー初出演作で、一躍全国区となったが「自分が駆け出しだったこともあって、納得のいく演技が全然できず、評判もよくなかったので。今回、それがトラウマになっているんだなと感じました。(トラウマは)この先も残るものだとは思います」と赤裸々に告白。
「バーンと売れるのかなと思っていましたけど、なかなか仕事も来なくて。ただ『花子とアン』で簡単に認められていたら、これほどお芝居の勉強をすることもなかったでしょうし。今は自分のアイデアが表現できるようになって、お芝居が楽しくて仕方がありません。その経験があったからこそ、今の自分があるんだと思います」と苦い記憶も糧にした。
「仕事がない時期に、幸い素晴らしい演出家の方々と出会えて、数々の貴重な経験を積ませていただきました。今回、朝ドラの大舞台に戻ってこれて、これまでの出会いに感謝し、これからも謙虚に取り組んでいかなければ、と身が引き締まる思いです」
タイトルの略称「ふてほど」が昨年の「ユーキャン新語・流行語大賞」年間大賞に選ばれるなど、社会現象を巻き起こした昨年1月期のTBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」に教師・安森役で出演し、存在感を発揮。今年の「第78回カンヌ国際映画祭」コンペティション部門に出品された出演映画「ルノワール」(監督早川千絵)は20日に公開されたばかり。
7月期のフジテレビ木曜劇場「愛の、がっこう。」、戦国武将・浅井長政役に挑む来年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」など、待機作が続々。今や話題作に不可欠な存在となった。
=インタビューおわり=
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