正司照枝さん死去 91歳、急性心臓死「かしまし娘」次女 姉・歌江さん、妹・花江さんとトリオで歌謡漫才

[ 2024年7月11日 04:45 ]

66年ごろ、ステージを盛り上げる「かしまし娘」(左から)正司照枝さん、歌江さん、花江
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 「うちら陽気なかしまし娘」のテーマ曲で知られる姉妹漫才トリオ「かしまし娘」の正司照枝(しょうじ・てるえ、本名照江=てるえ)さんが8日、急性心臓死のため大阪府吹田市の自宅で死去した。91歳。北海道出身。葬儀は後日、家族葬で営まれる。

 にぎやかな歌謡漫才を繰り広げ、戦後の演芸界で一時代を築いた3姉妹の次女が、1月に亡くなった長女の歌江さん(享年94)を追うように半年後に天国へ旅立った。

 自宅近くに住む三女の花江(88)によると、照枝さんは1人暮らしだった。週に1回の家事手伝い、ほぼ毎日の介護士のサポートは受けていたという。持病はなく、8日午後2時半ごろに花江が様子を見に行った時はいつも通り話し、同5時半ごろに関係者が夕食を食べたかどうか確認に訪れた際も元気だった。だが、その後、自宅に設置された見守りカメラで、息子で所属事務所社長の正司宏行氏が異変を察知。搬送先の病院で死亡が確認されたという。

 花江は「トイレに行くために立って、そのまま(後ろの)ベッドの方に倒れたみたい」と説明。歌江さん、照枝さんの姉2人を相次いで亡くしたショックは大きく「突然でびっくり。2人とも亡くなってしまい、泣いてばかりです」と話した。この日夜、所属事務所を通して「子供の頃からずっと一緒に過ごした姉の死をまだ受け止めることができません。今もまだ隣にいるような気がします」とコメントした。

 女性漫才トリオの草分けだった「かしまし娘」は1956年に結成。女性漫才トリオは他におらず、華のある芸とキャラクターでアイドル的な人気者になった。松竹芸能の所属第1号で全国区の人気を誇り、3人を目標に女性トリオが次々誕生した。81年に活動を休止した後も定期的に3人で活動した。

 照枝さんは、三味線を弾いてツッコミ役の歌江さんの横で花江とともにギターを担当。1月に歌江さんが亡くなった時は「“これでおしまい かしまし娘~”です。穏やかな最期だったようですが、いまはただ悲しい」と追悼していた。大の酒豪で、最近は人気ドラマ「相棒」を見ながらウイスキーを飲むのが日課だった。

 所属事務所によると、昨年11月18日に放送されたNHK「よみがえる新日本紀行」が生前最後の出演番組だった。

 正司 照枝(しょうじ・てるえ、本名照江=てるえ)1933年(昭8)3月15日生まれ、北海道出身。3歳の頃から地方公演の舞台などで踊り、姉・歌江さんとコンビを組み「天才漫才少女」と呼ばれた。戦後は妹・花江とコンビを組む。56年に再び歌江が加わり「かしまし娘」を結成。NHK連続テレビ小説「純ちゃんの応援歌」、TBS「ふ~ふ生活」や舞台などで女優としても活躍した。

 ▽急性心臓死 事故など外的要因が原因でない自然死のうち、心臓の異常によって起きる突然死。多くは心筋に血液が供給されない状態となる虚血性心疾患で、狭心症や心筋梗塞、致死的不整脈、高血圧性心疾患、弁膜症などの総称。臓器や脳に血液が行き渡らなくなって死に至る。

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