古舘伊知郎 「語り尽くして時が満ち死ねれば最高」
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【牧 元一の孤人焦点】フリーアナウンサーの古舘伊知郎(68)が9月1日から3日まで東京・紀伊国屋サザンシアターTAKASHIMAYAで、恒例のトークライブ「トーキングブルース」を開催した。
今回のテーマは「現代の信仰」。2時間を超えるライブの後半で「現代の信仰の究極は『推し活』だと思っている」と語り、3週間限定で推し活に励んだ体験を明かした。
推し活ではまず候補者のリストアップを事務所関係者に依頼。地下アイドルやバーチャルアイドルなど12人の名前が挙がる中、シンガー・ソングライターの古城紋を選んだ。
「当時28歳で、今は29歳。正直、顔も好みだから、この人を推そうじゃないかと思った。ミクチャで毎晩、歌の生配信をやっているので、毎日、推し活ができるのがいい。丹田に力を入れて『明日からこの人を推すぞ』と自分に言い聞かせた」
マネジャーの助力を得てミクチャに登録するところから開始。生まれて初めてハンドルネームを獲得することに気持ちを弾ませたものの、マネジャーの独断でハンドルネームは「いち」になってしまった。
生配信を見ると、古城はオリジナル曲やカバー曲を歌い、常連メンバーらの書き込みにリアクションしていた。
「古城さんは毎晩7時間、歌とおしゃべりを続けている。午後6、7時から始めて夜中の1時、2時までやっている。凄いな、と思った。オレなんか、トークライブを毎日7時間やれと言われたら…。やるけれど、しんどい。古城さんの夢は日産スタジアムで単独ライブをやること、目標はミクチャアワード決勝大会で1位になることだと推し活初日で知った。2日目、3日目と、仕事が終わると生配信にかじりついた」
心に変化が起きたのは4日目だった。生配信を見ていると、いきなり「いちさん!」と呼びかけられ「つい最近入ってきたんだよね。ありがとう」と感謝された。それに応じて簡潔に「僕も一生懸命推す」と書き込むと、「いちさん、ありがとう」と返事があった。
「直々に言われたらギフト(投げ銭)を返すしかない。ギフトを贈ったら歌っている途中に『いちさん、ありがとう』と言ってくれた。なんだ、この全身を包む多幸感は!古舘伊知郎68歳、初めての経験だ。これはグッと来た。昼間に辛いことがあっても夜に紋ちゃんを推せると思ったら全然嫌じゃなくなった。これが推し活の効能。癒やされる典型なんだろう。オレが仕事で遅れて入っていくと、常連さんたちが『こんばんは』と書き込んでくれる。この横の連帯感がたまらない。みんなで推している感じ。これが現代の信仰そのものなんだ」
推し活のクライマックスはミクチャアワード決勝大会当日。古城がギフト獲得1位を目指す大会の模様を古舘はプロレス実況中継風に表現してみせた。
「まさにこれは欲望と夢を抱いている合同結婚式といった様相でありましょうか。金で買ったギフトの雨あられ状態。シャンパンタワーが乱れ飛んでいる。今度は何か、おっと!ラグジュアリーケーキが飛び出している。オレはその時、銭ゲバじゃなく第一京浜のガマクジラになっている。まずはシャンパンタワー投入だ。この日だけで15万円使おうと思っていた。この無駄遣いに文句は言わせない。トーキングブルースの必要経費だ」
しかし、古城の順位は2位。これで3週間限定の推し活は終了した。
「本当に寂しかった。次の日から生配信で紋ちゃんを推すことができない。でも、いちばん寂しかったのは、意外にも、横の連帯から離脱したことだった。みんなで推していると信じ込んだ瞬間があった。見ず知らずの人たちと横でつながっている感じからはじき出されたような気がした」
ここから今回のトークライブのテーマ「現代の信仰」の結論部分だ。
「たった3週間の推し活で新たな発見をした。宗教はなぜ生まれたか?孤独を埋めるためだと分かった。孤独は自我から来る。自我のない子供に孤独はない。孤独は1人ぼっちから起きない。スクランブル交差点の人混みの中、あるいはザワザワしたカフェの中で起きる。孤独は人の群れの中で立ち上がってくるものだ」
そして、最後に自分自身について語った。
「オレは自我が強くて大きい偏った人間だ。従って孤独も深い。だから、しゃべる。しゃべって、しゃべって、しゃべりまくる。しゃべればしゃべるほど孤独の穴が深くなることも分かっている。だからまたしゃべる。このしゃべりの自転車操業から離脱して月並みの幸せを持ちたいとは決して思わない。語って語って語り尽くして時が満ちる。それで死ねれば最高だと思っている。特定の宗教を持ってもまた期間限定で終わってしまうから、そういうものも持たない。だから、このライブが終わって、大きな自我をまた抱えて、夜になって寝室の窓を開けて、夜空に向かって祈る」
しゃべり続ける以外に救いはない。そんな自らの信仰を結論とした出色のトーキングブルースになった。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。
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