古舘伊知郎 「俺はしゃべ中」 トーキングブルースで真骨頂

[ 2026年3月25日 09:00 ]

トーキングブルースで熱い語りを続けた古舘伊知郎
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 【牧 元一の孤人焦点】フリーアナウンサーの古舘伊知郎(71)が3月20日、横浜市のKT Zepp Yokohamaで恒例のトークライブ「トーキングブルース」最終日を迎えた。昨年12月に都内でスタートした後、今年1月の福岡市、2月の名古屋市、今月の大阪市と熱い語りを続けていた。

 語る内容は「インパクト」「自己肯定感」「印象操作」「持続可能」など、登場する人物は高市首相や安倍元首相、トランプ米大統領、みのもんたさん、大谷翔平らで多岐にわたった。

 中でも特に胸に響いたのは「自己肯定感」に関する自身の話だ。

 古舘は昨年10月に東京・両国国技館で行われた「プロレスリング・ノア」の興行で久方ぶりにプロレス中継に参加した。配信するABEMA側から「実況」の依頼を受けたものの、「ゲスト解説」で出演。メインイベントのKENTA対マサ北宮戦の際、中継席を急襲した北宮から「おまえ、何しに来た!?」とどう喝されると、立ち上がって「しゃべりに来たんだよ!」と言い返した。その時の思いは「偽らざる心境を言うと、とてもうれしかった。おかげでストーリーができた」。

 中継終了後、北宮からあいさつを受けた。「実は古舘さんのトーキングブルースの大ファンなんです。チケットを買って必ず行っているんです」。うれしい話だったが、古舘は「その時に自己肯定感が満たされわけじゃない。自己肯定感を得るには必ずタイムラグがある」。後日、就寝前にXの書き込みをながめていると、プロレス中継参加に対する批判が並んでいた。ところが、その中に北宮の投稿があった。ノアの試合の「実況」を改めて古舘に求める内容だった。古舘は「俺のことをそんなに愛してんの!?」。マネジャーを通じてABEMA側に「今度は実況をやりたい」と伝えた。

 話はここからヤマ場だ。

 古舘は今年1月に東京・日本武道館で行われたノアの興行で、高橋ヒロム対AMAKUSA戦の実況を担当した。「私の自己肯定感の姿が日本武道館にあった。(テレビ朝日の局アナとしてプロレス中継を担当していた)38年前の自分と一人同窓会をやっている感じ」。しかし、既に71歳。「寄る年波には勝てない。声を張った時の継続力がない。喉元が地獄なんだよ。この天国と地獄のちぐはぐさは、肉体が衰え始めてからのアントニオ猪木のリングの動き、過激なセンチメンタリズム&ヒロイズムと重なって、自分の自己肯定感がぐっと来た」。

 このように自身の老化を明かしたものの、この日の古舘に全く衰えはみられなかった。2時間超にわたってよどみなく語り続ける口調には前回のトーキングブルース以上の勢いがあった。

 真骨頂はライブ冒頭で明かしたエピソードにも表れていた。

 古舘は2月の雨まじりの朝、東京・品川での歩行中に転倒した。「倒れる時、自分の足が見えた。スノボをつけていないビッグエア状態」。仙骨を強打し、両手と両足が動かない状態になったものの、うずくまったままの約5分間、自身の容体をマネジャーに説明し続けた。マネジャーから返ってきた言葉は「しゃべるのを少し止めたらどうですか?」。

 「俺はしゃべり中毒、しゃべ中だから」

 今もなお全盛期だ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) スポーツニッポン新聞社編集局文化社会部。テレビやラジオ、音楽、釣りなどを担当。

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