NHK総局長 ジャニーズの性加害問題に言及「再発防止策が実行されているか、見守っていく」

[ 2023年5月24日 15:45 ]

東京・渋谷のNHK社屋
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 NHKの山名啓雄メディア総局長が24日、東京・渋谷の同局で定例会見を行い、ジャニーズ事務所の元所属タレントが創業者のジャニー喜多川前社長(2019年死去、享年87)の性加害問題について言及した。

 山名総局長は「ご指摘の内容について、ニュース番組でお伝えしております」としたうえで「NHKとしてはジャニーズ事務所が示した再発防止策が実行されているか、そういった推移を慎重に見守って、適切に対応していきたい」とコメント。さらに「性暴力につきましてNHKとして決して許されるものではないという、毅然とした態度で今までも臨んでまいりましたし、その姿勢に変わりはありません」とした。

 同局は多くのジャニーズタレントを起用しているが「番組の出演者をどう選出するかは個別の番組、内容、演出に合わせてふさわしい人を起用してまいりましたし、今後も起用していく。いずれにせよ、ふさわしい方を起用するという意味では、自主的な編集判断に基づきまして、その都度、その都度、最終的には判断してく」と説明。「番組の内容・演出にふさわしいとしたうえで、総合的に判断して、その都度、選定していく」と話した。

 年末の紅白歌合戦などでも多くのタレントが出演し、司会も多く担当してきた経緯がある。「(紅白は)今年の活躍、世論支持、番組の企画という選考基準を基に選考していくことには変わりはありません」としつつも「この後、ジャニーズ事務所さんが再発防止策をこれからどのように実行されていくのか、ちゃんと慎重に見守りながら、仮に紅白歌合戦の選考するに当たってもしっかりとそういった対応をいきたい」とした。

 ジャニーズ事務所は今月14日、藤島ジュリー景子社長が「深くおわび申し上げる」と被害を訴える人に謝罪するなど、ジャニーさんの性加害問題について初めて見解を発表。一方、この問題への対策が長年取られなかったとして、これまでのジャニーズ事務所の体制を「異常」と表現。再発防止に取り組むことを強調した。

 所属タレントとしても、最年長の東山紀之が21日に出演した情報番組でスーツ姿で眼鏡をかけた沈痛な表情で「心を痛めた全ての方々、本当に申し訳ありませんでした」などと謝罪。「このままジャニーズという名前を存続させるべきなのか」と社名についても言及。「外部の方とともに全てを新しくし、透明性を持ってこの問題に取り組んでいかなければならないと思います」と、事務所改革のため創業以来60年以上続く社名を変更する可能性を示唆した。

 3月に英BBCのドキュメンタリー番組で取り上げられ、4月に元ジャニーズJr.で歌手のカウアン・オカモトが会見で性被害を受けたと主張したことで大きな注目が集まった性加害問題。ジュリー氏は「事務所の存続さえ問われる、極めて深刻な問題」と受け止めたが、これまで「知らなかった」とした。ただ、問題については1999年に週刊文春が記事化し、後に事務所との裁判にも発展している。この時、ジュリー氏は取締役。幹部でありながら知らなかったのか。その理由を「異常」という言葉を用い、事務所の体制に問題があったと説明した。

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