矢野顕子「もう一度ピアノで連弾しませんか」 元夫・坂本龍一さんへ英語で追悼メッセージ

[ 2023年4月5日 05:30 ]

矢野顕子
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 3月28日に71歳で死去した音楽家の坂本龍一さんについて、元妻でシンガー・ソングライターの矢野顕子(68)が4日、自身のツイッターで追悼した。英文で「親愛なる龍一さん、もう一度ピアノで連弾しませんか。あなたがいなくなり、とても寂しい」とメッセージを投稿した。

 矢野と坂本さんは1982年に結婚。しかし、別居生活が長く続き2006年に離婚した。夫婦としては添い遂げられなかった2人だが、音楽家としての結びつきは強い。

 出会いは79年。坂本さんがイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のメンバーとして、ロンドン、パリ、米ロサンゼルスなどを巡ったワールドツアーに矢野が同行し、交際に発展。80年には長女の坂本美雨(42)が誕生した。

 奔放で独創的な演奏を得意とした矢野。その音楽性は、東京芸大の大学院に進み、音楽理論に精通していた坂本さんに大きな影響を与えた。新しい音楽をすぐに取り入れる柔軟性や、自由な音作りは矢野との出会いが原点だった。

 2人は作品でも才能をぶつけ合い矢野のアルバム「ごはんができたよ」(80年)は坂本さんが共同プロデュース。カネボウ化粧品のCMソングとなった矢野の代表曲「春咲小紅」(81年)の編曲にも坂本さんが名を連ねている。

 80年代には、多くのライブでピアノの連弾を披露した。ファンの間では伝説的な2人の連弾映像がある。85年にフランスで製作された坂本さんのドキュメンタリーフィルム「Tokyo Melody」で、YMOの代表曲の一つである「東風(Tong Poo)」を連弾。自宅のような雰囲気の場所で、2人が1台のピアノに並び、一心不乱に鍵盤を叩く坂本さんと、時折笑みを浮かべ演奏する矢野。矢野の手には、ばんそうこうが貼られ、才能のぶつかり合いと夫婦の生活感が表れている。

 投稿された矢野のツイートを、娘の美雨もリツイート。元妻や娘、それぞれの思いで坂本さんを見送っているようだ。

 ≪自身のアルバムで歌詞をつけカバー≫「東風」は、坂本さん作曲で、78年にリリースされたYMOのアルバム「イエロー・マジック・オーケストラ」に収録されている。ファン投票ではYMOの好きな曲ランキングで1位になる代表曲。さらに、矢野のアルバム「ごはんができたよ」には、矢野が歌詞をつけたカバー曲「TONG POO」が収録。♪わたしたちの上の雲は白く広く 永遠の生命へと続く わたしたちの前の海は青く深く 永遠の生命へと誘う――と命のつながりが表現されている。

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