山田洋次監督 大江健三郎さん死去に悲痛「心ある日本人にとって、羅針盤を失ったような気持ちでは…」

[ 2023年3月13日 18:12 ]

山田洋次監督
Photo By スポニチ

 映画監督の山田洋次氏(91)が13日、3日未明に老衰のため88歳で亡くなったノーベル文学賞作家の大江健三郎さんを追悼した。

 山田監督は「物事を考える上で、正しい指針を与えてくれる人がいなくなってしまった不安と悲しみに包まれています。加藤周一さんと大江健三郎さんの存在が長い間日本人にとってどれほど大切だったかを思いつつ、今大江さんを失うことが、現在のような混沌としたこの国の、さらに世界の状況にとって大きな損失だということを考えます。心ある日本人にとって、羅針盤を失ったような気持ちではないでしょうか」とコメントを発表した。

 大江さんは1935年1月31日、愛媛県喜多郡大瀬村(現・内子町大瀬)生まれ。東京大学在学中の1957年「奇妙な仕事」が東大の第2回五月祭賞を受賞して文壇の注目を浴び、翌58年「飼育」で芥川龍之介賞を受賞。94年には川端康成に次ぎ日本人2人目となるノーベル文学賞を受賞した。

 また、65年「ヒロシマ・ノート」、70年「沖縄ノート」(1970年)や発言などで、日本が直面するさまざまな課題へ向き合った。

続きを表示

2023年3月13日のニュース