直木賞作家・今村翔吾さん 令和の伊能忠敬になる!「今しかできない」100日かけ全国お礼行脚

[ 2022年4月14日 05:30 ]

「今村翔吾のまつり旅 47都道府県まわりきるまで帰りません」について思いを語る今村氏(撮影・小田切葉月)
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 第166回直木賞を「塞王の楯」(集英社)で受賞した時代小説家の今村翔吾さん(37)が、100日かけて全国の書店や児童施設を巡る。「今村翔吾のまつり旅 47都道府県まわりきるまで帰りません」と題した企画で、そこに込めた思いを語った。

 交通費、宿泊費、食費は自分で負担。ギャラももらわない。期間中は一度も大津市の自宅に帰らず、要望のあった場所ならどこでも駆け付ける。3月23日から訪問先を募集したところ、すでに応募件数は200件を超えた。「体力や年齢的に今しかできないこと。全国にお礼参りに伺って、子供たちや書店さんに明るい時間を届けたい」と声を弾ませた。

 今年1月に直木賞を受賞。直後の会見で「今年中に47都道府県の書店にお礼に回りたい」と宣言した。周囲からはパフォーマンスとやゆする声もあったという。それでも“全国行脚”にこだわったのは「交通やお金の問題で作家を呼びたくても呼べない地域がある。だからこそ自分から訪れて、感謝や読書の魅力を伝えたかった」という強い意志があった。

 移動には、企画のロゴがラッピングされた白いワゴン車を使用。訪れた地域の人から寄せ書きをしてもらうために白い車を手配した。連載中の作品があるため、後部座席を改造して机を設置し、原稿執筆スペースも設けた。「離島も断ってないし、フェリーも活用する。旅での出会いや経験が次の作品に生きるかも。これだけ動いたら(初めて実測による日本地図を作った)伊能忠敬とか書けそうだし、どこへでも行きますよ」と笑った。

 募集は今月20日午後6時まで。かつて勤務していた滋賀県守山市を出発地とし、5月末から旅が始まる。今村さんは今後の目標として「坂本龍馬の作品を40代に書きたい」という。「坂本龍馬と言えば地球3周分は歩いたと言われている。いつか彼の作品を書くために、今のうちに動き回りたい」。文壇界の風雲児が、新たな挑戦の旅に出る。

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