NHK朝ドラ 22年度後期は「舞いあがれ!」、空に憧れて夢は女性パイロット

[ 2021年8月28日 05:30 ]

2022年後期のNHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」ロゴ(C)NHK
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 NHK大阪放送局は27日、2022年度後期の連続テレビ小説が「舞いあがれ!」に決まったと発表した。舞台は1990年代から現在の東大阪と長崎・五島列島で、パイロットを目指すヒロインを描く。新型コロナウイルスの感染拡大やさまざまな災害に見舞われる今だからこそ、制作統括・熊野律時チーフプロデューサーは「いろんな人生の逆風を受けながら、高く飛ぼうとするヒロインのイメージがパッと浮かんだ」と話す。

 脚本を担当するのは桑原亮子氏(41)。聴覚障がい者で11歳の頃に両耳の聴力を失った。脚本執筆のほかに2011年の宮中歌会始に入選するなど歌人としても活躍。昨年、阪神大震災から25年の節目に制作されたNHK「心の傷を癒すということ」で自身の被災体験も生かし、初めて連続ドラマの脚本を担当。この作品が好評で今作につながった。熊野チーフプロデューサーとの話し合いで「空を飛ぶことを夢見るヒロインはどうですか?」と提案。パイロットに憧れ、飛行機造りに情熱を燃やす主人公が生まれた。

 さまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生を描く物語。ヒロインがパイロットを目指す朝ドラ作品は1976年放送で浅茅陽子(70)が主演した「雲のじゅうたん」以来、45年ぶりとなる。

 現在放送中の「おかえりモネ」(清原果耶主演)、11月1日スタートの「カムカムエヴリバディ」(上白石萌音、深津絵里、川栄李奈の3人主演)、来年春からの「ちむどんどん」(黒島結菜主演)に続く通算107作目の朝ドラ。「カムカム…」以来、2作ぶりにヒロインをオーディションで選出する。実施時期は今秋で、発表は冬の予定。同局は選考基準や年齢像などを「すべて未定」としている。

 桑原氏は「このドラマのヒロインもつらいことがあるたび、空を見上げて前に進みます。その姿を見ているうちにいつのまにか元気が出てくる、そんなドラマになることを願っています」とコメント。クランクインは22年春、放送開始は同年秋を予定している。

 ≪日本初は大正時代≫国土交通省航空局によると、国内の主要航空会社で働くパイロット(機長、副操縦士)は今年1月1日時点で6673人で、このうち女性は93人。内訳は機長3916人のうち11人、副操縦士は2757人のうち82人となっている。ちなみに日本初の女性パイロットは大正時代に誕生。1922年、兵藤精(ただし)さんが三等飛行機操縦士試験に合格し飛行競技会などで腕前を披露した。

 ▽あらすじ 舞台はものづくりの町である東大阪。ヒロイン・舞は町工場を営む両親と兄の家族4人暮らし。引っ込み思案だったが、自然豊かな長崎の五島列島にいる祖母のもとを訪れ、広い空に風を受けて力強く舞いあがる「ばらもん凧(たこ)」に魅入られる。「あんなふうに空高く飛びたい」。空への憧れをパイロットになる夢へとふくらませるが、想像以上に厳しい道のりが待ち受けていた。

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