芦田愛菜 大河の光秀の娘役 「覚悟ができる強さにひかれます」

[ 2020年12月27日 08:00 ]

大河ドラマ「麒麟がくる」で、たまを演じる芦田愛菜(C)NHK
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 【牧 元一の孤人焦点】女優の芦田愛菜(16)が27日からNHK大河ドラマ「麒麟がくる」に明智光秀(長谷川博己)の娘のたま役で登場する。大河出演は2011年の「江~姫たちの戦国~」以来、9年ぶり。細川ガラシャとして知られる重要な役どころを演じた思いを聞いた。

 ──9年ぶりの大河出演の感想は?
 「両親も祖父母も喜んでくれました。行く先々で『大河ドラマに出るんだってね』と言っていただき、大河ドラマがみなさんに愛されている作品であることをしみじみと感じました。そのような作品にまた参加させていただくことを、本当に純粋にうれしく思っています」

 ──撮影現場は?
 「最初は緊張しましたが、周りのキャスト、スタッフのみなさんのおかげで少しずつ緊張がほぐれました。長谷川博己さんも気さくな方で、柔らかく温かい、とてもすてきな現場でした」

 ──長谷川さんとは?
 「以前、長谷川さんが出演した『まんぷく』(NHK連続テレビ小説)でナレーションを務めさせていただきました。その時、収録で毎回お顔を拝見していたのですが、お会いすることができませんでした。今回、やっと実際にお会いすることができて『あ、長谷川さんだ!』という感じで、うれしかったです。『麒麟がくる』を見ていると、きりっとしていて格好良くスマートに何でもやるイメージがありますが、カメラが回っていない時は気さくに話しかけてくれて、結構おちゃめな部分もあって…。そのギャップがすてきだなと思います。私が出させていただいている『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)を『見たよ!』と話しかけてくだっさったりして、とても、うれしかったです」

 ──演じる役柄は?
 「戦国時代の女性の中で、あこがれの存在でした。たまの役をいただいて、うれしかったです。小学校の低学年の頃、細川ガラシャの伝記を読みました。父も歴史が好きなので、話を聞かせてもらったこともあります。細川忠興と結婚して細川ガラシャになってからのたまは、芯が強く、覚悟があって、格好良いイメージです」

 ──自身と共通する部分は?
 「共通というより、理想です。たまのように芯が強く、覚悟がある女性になりたいというあこがれがあります」

 ──現在の芦田さんと同じ16歳で忠興と結婚することは?
 「覚悟が詰まった結婚だったと思います。葛藤や心の揺らぎもあったと思いますが、たまにとって理想は母の煕子で、自分も母のように父の光秀を支えたいという思いがあったと思います。なかなかすぐにできる覚悟ではないと思いますが、そういう覚悟ができるたまの強さにひかれます」

 ──忠興役の俳優・望月歩さんとの演技は?
 「たまと忠興がお互いにあがめ合い、仲むつまじい雰囲気をかもし出せたら良いと思いながら演じました。たまと忠興が一緒に立ち上がって部屋を退出するシーンがあって、その時、望月さんは私が立ち上がるのを待ってくれたり、後ろの私を気に掛けてくれたりする演技をしてくださいました。忠興のたまに対する思いが感じられ、自然に役に入り込むことができました」

 ──たまにとっての忠興は?
 「結婚する前は、父の光秀が亡くなったら、自分も後を追おうと思うくらいの覚悟があったと思いますが、結婚した後は忠興とともに生きる、生涯を共にするという新しい覚悟が生まれたと思います。光秀のことも慕っていたと思いますが、忠興のことも生涯を共にする人として慕っていたのではないかと思います」

 ──演じる上で難しかったことは?
 「戦国時代を生きる覚悟を持った女性であることを大切に演じたいと思いました。そのような覚悟は、これまで出させていただいたでドラマや映画とはまた違うものだったので、難しかったです」

 ──たまの魅力は?
 「父の光秀が大好きで慕っていて、母の煕子にあこがれていました。自分は母のように優しく温かく家庭や父のことを支えたいと考えていました。芯が強く、色々なことを察することができ、そして、覚悟のある、すてきな女性です。それが、たまの魅力だと思います」

 インタビュー中、終始、芯の強さをうかがわせる受け答えで、演じるたまと共通する部分があると感じた。終わりに、こちらから「たまは、とても、はまり役だと思います。期待しています」と告げると、一瞬、「いえ、いえ」と照れながら、「ありがとうございます」と、かれんな笑みを見せた。

 ◇芦田 愛菜(あしだ・まな)2004年(平16)6月23日生まれ、兵庫県出身の16歳。09年に子役デビューし、10年、ドラマ「Mother」で注目される。11年、ドラマ「マルモのおきて」で連ドラ初主演、主題歌「マル・マル・モリ・モリ!」で歌手デビュー。今年、映画「星の子」に主演するなど活躍中。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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