“富山の星”朝乃山、八村に続け!服部慎一郎四段 5月にもプロ棋士デビュー

[ 2020年4月25日 05:30 ]

福島聖天通商店街での将棋イベントで西口幸汰さん(左)と漫才を披露する服部慎一郎四段
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 大相撲の朝乃山(26)にNBAの八村塁(22)。スポーツ界に昨年来吹く富山旋風が棋界にも起きそうだ。4月、プロ入りを果たした服部慎一郎四段(20)。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、名人戦などのタイトル戦は延期されたが、5月にも訪れるデビュー戦へ「この状況でもできるのはうれしい」との意気込みを本紙の電話取材に語った。

 8、9日に都内で予定した名人戦第1局は中止され、5月19、20日、長野県での第4局を開幕局とする方向で検討している。また、100キロ以上の長距離移動を伴う対局も休止された。ただ、競馬や大相撲と並んで継続中の数少ないプロ競技。服部は帰宅時2、3度の手洗いを欠かさない。

 1月、成人式で帰郷し、友人らの話題が八村一色だったことに刺激を受けた。「自分も頑張ろうと思った」。当時、奨励会三段リーグは7勝1敗。将棋ユーチューバーの折田翔吾四段(30)、東大大学院在学中の谷合廣紀四段(26)との同時昇段を14勝4敗で決め、13年ぶりの富山県出身棋士になった。

 藤井聡太七段(17)の2年後の一昨年10月、プロ入りした本田奎五段(22)が今年2、3月の棋王戦でタイトル初挑戦した。プロ入り間もない新人が参加した棋戦の1期目で挑戦権をつかむのは初めて。その本田に昨年9月、服部は加古川青流戦の対局で勝った。三段論法に従えば服部のタイトル挑戦もそう遠くない。

 服部と研究会を開く久保利明九段(44)は「序中盤は独創性が高く、終盤は切れ味がある」と評価。自らAIを使うのは対局後の振り返りのみとし「考える力、いい手を指す力を養う方が長い目で見れば大事」と棋士らとの練習将棋を数多くこなして体で覚えるタイプという。どこか古風な20歳は「いずれはタイトルを獲りたいが、1年目は若手棋戦での優勝、タイトル戦の本戦入りを目指したい」と抱負を語った。

 ≪コンビ名「もぐら部隊」今夏もイベント出演予定≫服部はここ3年連続、関西将棋会館近くの福島聖天通商店街で漫才を披露する。同商店街での将棋イベントでの出し物。大阪市立中央高時代の同級生・西口幸汰さんとのコンビ「もぐら部隊」で、今夏予定のイベントにも出演予定という。将来のM―1挑戦について「いつか出られたらと思うが、将棋が本業なので」と苦笑いした。

 ◆服部慎一郎(はっとり・しんいちろう)1999年8月2日、富山市出身の20歳。中田章道七段門下。昨年の加古川青流戦で三段ながら準優勝した。

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2020年4月25日のニュース