「西郷どん」いざ革命編!鈴木亮平、英傑たちの魅力輝かせる「受けの芝居」

[ 2018年7月15日 08:00 ]

英傑と出会い、革命家へと変貌を遂げる西郷吉之助(鈴木亮平)(C)NHK
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 俳優の鈴木亮平(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「西郷どん」(日曜後8・00)は15日放送の第26話「西郷、京へ」で“革命編”がスタートする。2度の島流しを経て薩摩に戻ったのち、すぐさま京都に向かい政局の中心で奮闘する西郷吉之助。幕末の英傑である勝海舟(遠藤憲一)、坂本龍馬(小栗旬)、岩倉具視(笑福亭鶴瓶)らと出会い、さまざまな影響を受け革命家へと変貌を遂げる。“革命編”放送前に鈴木がインタビューに応じ、出演者とのやり取りや現場のムード、見どころを語った。

◆「ガツンと衝撃」勝海舟、坂本龍馬、岩倉具視…描かれ方が面白い◆

――“革命編”は英傑たちとの出会いで吉之助の人生が変わっていきます。英傑を演じる役者と対峙してみての感触は。

 「濃いキャラクターで魅力的な英傑たちをより輝かせるために、革命編では彼らが何を持っているか、彼らにどう吉之助が翻弄されるのかという“受けの芝居”を意識しています。吉之助のキャラクターについてはこれまで描かれてきましたが、英傑たちの影響を受けてじわじわと吉之助自身も変わっていくところをうまく見せたいです」

――英傑たちとの出会いで印象的な場面は。

 「勝(海舟)さんや(坂本)龍馬らと初めて会う場面は面白いです。薩長同盟は今までの時代劇とは違った切り口で描かれていて、勝さんには“幕府を見限っちまえ”と言われて、吉之助はガツンと衝撃を受けます。ほかには(笑福亭鶴瓶が演じる)岩倉具視さんの描かれ方が面白くて。僕が思っていた岩倉さんのイメージとだいぶ違うので、非常に楽しんでいただけると思います。自宅で賭場を開くのですが“そんなことあるのかな?”と思って時代考証の先生に聞いたら、当時の公家はお金に困っていて賭場を開いていたそうなんです。今までとは違う英傑たちの意外な一面が見られるのではと思います」

――「禁門の変」の撮影では、吉之助の鬼気迫る表情やオーラが凄かった。どのような心境で演じましたか。

 「『禁門の変』が一番のターニングポイントだと思います。吉之助は戦を初めて経験します。吉之助だけでなく薩英戦争を経験した薩摩以外、日本での戦は250年ぶりぐらいだった。吉之助はあんな鎧を着るのも初めてですし、いきなり司令官になっている。罪人として島流しとなったが、島から帰ってきて3カ月後には司令官になっているんです。何百人という部下の命を背負っているわけですから、自信がなくても兵士の前では鼓舞することを言わなければならない。そして、『禁門の変』で京の街が燃えてしまう…。“こんなことになってしまうのか…自分は国のために何をしなければならないのか”と悩む。吉之助自身が本気になったきっかけだと思います。これからどんどん内容がシリアスになっていきます」

――理想と現実の間で吉之助が苦労した心情をどう解釈していますか。

 「僕が今感じていることは、西郷さん自身が“俺は政治をゼロから作り上げていくのに向いてないかもしれない”と思っていたのではないかと。相手の立場に立ちすぎて物事を考えてしまう。倒幕のために非情な采配を続けるけれど、人情を捨てきれない。吉之助自身の中で苦しさが積み重なっている状況だと思います」

――松田翔太さん演じる一橋慶喜と吉之助の関係も変化していきます。

 「島から帰ってきて、大人同士で面と向かって話し合ったときに“どうも違う”と感じるんですね。向こうも徳川という家を背負うようになり、僕たちが信じてきた一橋さまとは違う人間になっている。吉之助は一橋さまのやり方だと日本の民が苦しむことになると分かった瞬間、袂を分かつことを選ぶ。ただ、徳川を討つと決意するまでは、磯田屋での日々や橋本左内さんと3人でいた思い出は心のどこかに置いておきたいと思っていて。自分の思うような人であってほしいという気持ちを持ち続けるのですが、あるときに“あ、この人とはダメだ”という両方の気持ちに引っ張られる部分を大事にして演じました」

――他の出演者を見ていて、今作で吉之助以外にやってみたいなと思う人物は。

 「一橋慶喜様ですね。とても興味深くて、台本をもらうたびに少しうらやましくなります(笑い)。振り幅があるというか、地位を持つ男が段々追い詰められていくところなど人間らしさが詰まっていて。幕末という時代を逆からも見てみたいなと。こちらにはこちらの正義がありますが、向こうには向こうの正義がありますので」

◆現場ではニュートラルな感覚、小栗旬くんは恩人でありライバル◆

――現場では出演者の方々と議論をして撮影に臨むのですか。それともその場のフィーリングなどを重視するのですか。

 「基本的にはお互いにニュートラルな感じでやっています。気になるところは、皆で話し合ったりします。リハーサルや当日の現場含めて“この場面はどうしていこうか?”とアイデアを出しながらやっています。今作に限らず緊張感のある場面を演じる前は、少し距離を置いたりすることはありますね。とはいっても、意識して撮影日の朝から現場で会話をしなかったりすることはないです」

――主演作では共演者に“食われる”ぐらいの思いで演じていると話してましたが、“一番食われたな”と思ったのは誰ですか。

 「“食われた”というより、小栗旬くんの坂本龍馬は文句なしにかっこいいですし、遠藤憲一さんが演じる勝海舟も龍馬もとても色っぽいんですよ。2人と接しているときは、自分も色っぽくないといけないのではと危機感を感じるくらいです(笑い)」

――親交のある小栗旬さんとの関係が、作品内での龍馬と吉之助の親密さに表れていますか。

 「(小栗)旬くんだからこそのやりやすさはありました。僕にとって小栗旬くんは特別な存在。僕を引っ張り上げてくれた恩人であると同時に最大のライバルです。友人ではありますが、そこにはある種の緊張感があります。僕はそういう関係が好きです。その関係って西郷どんと龍馬さんの関係に凄く似ているなと思っていて。龍馬と吉之助の場面は面白くなっていると自信があります」

――“革命編”の見どころを。

 「革命編から見るのもいいと思います(笑い)。なぜかというと、世間のイメージ、教科書に出てくる西郷さんはここからですので。革命編から見た視聴者の方が“この人どんな若い時代を経てこうなったんだ?”と興味を持ったら、初回からさかのぼって見ていただきたいです。物語がブワーッと動くのはここからです。ダイナミックなドラマ展開になっています」

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