島崎遥香 23歳のリアル「まず結婚したい。でも、同じ家には住めないかな」

[ 2017年9月12日 11:05 ]

夢中論 島崎遥香(下)

台本を手に優しい笑顔を見せる島崎遥香
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 女優の島崎遥香(23)は休日、都内の水族館を訪れる。見たいのは、可愛い魚や珍しい魚ではなく、イワシの群れだ。大量のイワシが一方向に動いて竜巻のようになる「イワシトルネード」。見つめていると、心が浄化された気分になる。なぜ、そんなにもひきつけられるのか…。そこに、女優として求めているものが秘められている。

 好きな映画「味園ユニバース」(監督山下敦弘)に、主人公とヒロインが口でスイカの種を飛ばすシーンがある。見る人によっては、何の引っかかりもない。

 「私は“これ、いいシーンだな!”と思いました。種飛ばしをただ見せているだけの映像なんです。だけど、私はそういう意味のないことに面白みを感じるし、かっこいいと思うんです」

 映画やドラマは通常、一つ一つの場面に意味がある。作品には時間的な制約があり、意味のない場面は削られるからだ。しかし、意味のない時間を過ごしがちなのが人間で、全てのシーンに意味を持たせようとするとリアリティーを損なう場合もある。

 「私はわざとらしいものが好きじゃない。例えば絵を見ても、ただテーマに沿ってきれいに描かれたものは何も響かないんです。テーマもなく、その人がその時の感情に従って描いたものがグサッと来ます」

 その感性が女優業の根底にある。放送中のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」には、ヒロイン(有村架純)の知人・由香役で出演。父親らに反発してきた由香が翻って本音をヒロインらに吐露するシーンは名場面だったが、自身の演技の理想はもっと上にあった。

 「台本に書かれた由香はびっくりするほど私自身によく似ているんです。脚本家さんに、心の中をのぞかれているんじゃないかと思うほど。だけど、自分が演技したものを見ると、私じゃなくなってた。演技は難しいと思います」

 女優として求めているのは、徹底したリアリティーだ。

 「ひよっこ」には30日の最終回まで出演するが、これからきっと現実とドラマの島崎が一致するシーンが見られるに違いない。そして、今後ますます女優として活躍の場は広がるだろう。

 「それよりもまず結婚したい。もう23歳ですから。子供が好きなんです。でも、結婚しても同じ家には住めないかな。大きな家で玄関が2つあって、テラスハウスみたいになっていれば一緒に住めるかも」と笑った。

 やはり、イワシの群れには溶け込めそうにない。

 ≪職業=自由業≫5年以上前の12年5月、ドラマで初めて本格的な演技に挑んでいた島崎に「どんな女優になりたい?」と質問したことがあった。その時の答えは「まだ、それを語れるレベルに自分は達していない」だった。第一線で活躍する今あらためて「どんな女優になりたい?」と聞くと「私、女優できてるんでしょうか?」と謙虚に答えて笑った。「では、今、職業を問われたら?」と尋ねると「自由業」と即答し「物を作ることは好きです。雑誌のデザインとかにも興味があります。いろんな仕事、面白いことをしたい」と思いを明かした。

 ◆島崎 遥香(しまざき・はるか)1994年(平6)3月30日生まれの23歳。埼玉県出身。09年9月、AKB48の9期生オーディションに合格。12年9月のじゃんけん大会で優勝し、12月発売の「永遠プレッシャー」で初センター。15年11月公開の映画「劇場霊」に主演。昨年12月のNHK「紅白歌合戦」出演を最後にAKBを卒業。ドラマ「ゆとりですがなにか」「スーパーサラリーマン左江内氏」などに出演。

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