扇治郎流「親バカ子バカ」魅せる 祖父の故藤山寛美さん代表作

[ 2017年5月10日 08:25 ]

祖父・藤山寛美さんの代表作「親バカ子バカ」に挑む藤山扇治郎(C)松竹
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 松竹新喜劇の藤山扇治郎(30)が祖父の故藤山寛美さんの“代名詞”とも言える名作「親バカ子バカ」に初めて挑むことになった。12日、大阪狭山市のSAYAKAホールで行われる舞台「松竹新喜劇 爆笑公演」で上演されるもので、扇治郎は「おじいさんをマネることで学ぶことも多いはず。心して演じたい」と力を込めた。

 「親バカ…」は1959年12月、同劇団出演のテレビドラマとして放送された1話完結の喜劇シリーズ。先代の渋谷天外さん演じる会社社長の父親と、溺愛される息子・貫一を演じる寛美さんのトボけた味が人気となり、ドラマを出発点に舞台、映画へと派生した松竹新喜劇にとっても異例の作品。貫一が受話器を手に「あの〜、もしもし?お父さんですか?」と舌足らずに話す口調が一世を風靡(ふうび)し、寛美さんの人気を全国的に押し上げた。

 同作がよみがえるのは、寛美さんが健在だった1974年の愛知・御園座公演以来約43年ぶり。寛美さんのイメージがあまりに強烈だったため寛美さん以外、この役を演じた役者はおらず扇治郎は「この役は一生やらない、と思っていたんですけど僕もおじいさんがこの役を初めてやった30歳になり、思うことも多い。伝説的な作品を現代にも合うようにリメークして、新しい世代の人にも見てもらいたい」と覚悟を決めた。

 父親役には先代天外さんの息子で劇団代表の3代目渋谷天外(62)が継承。それぞれの孫と息子に引き継がれた“お家芸”が演劇ファンの心をくすぐりそうだ。同舞台は21日、愛知・中日劇場でも上演される。

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2017年5月10日のニュース