「ムーンライト」幻の受賞スピーチ入手 ジェンキンス監督、混乱で披露できず

[ 2017年3月28日 08:25 ]

アカデミー賞でオスカー像を手に笑顔を見せる「ムーンライト」の脚本家のタレル・アルビン・マクレイニー氏(左)とバリー・ジェンキンス監督(C)Jason LaVeris/ Getty Images
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 作品賞の発表を間違える前代未聞のハプニングが起きた2月の米アカデミー賞で、作品賞を受賞した「ムーンライト」(31日公開)のバリー・ジェンキンス監督(37)が準備していたが混乱のため“幻”となった受賞スピーチを入手した。

 授賞式ではプレゼンターに誤った封筒が渡ったことで「ラ・ラ・ランド」が表彰され、途中で間違いに気づき「ムーンライト」の関係者が登壇。会場中が驚きに包まれ、ジェンキンス監督も「なんてことだ!」と興奮し、関係者への感謝を伝えるのが精いっぱいだった。

 「ムーンライト」は貧困地区で暮らす黒人少年の成長を描く作品で、用意していたスピーチでは「(脚本家のタレル・アルビン・マクレイニー氏と)僕たちはあの少年なんだ」と告白。自身も父親がおらず、薬物中毒の母親のもと貧困家庭で育ったことから「あのような環境で育った少年が、大人になってアカデミー賞に輝く作品を作るとは誰も思わないだろう。それは僕も繰り返し言ってきた。そうやって自らの夢を抑え込んで、否定してきたんだ」と振り返り「だから僕たちに自分を投影している人は、これを機に自分自身を愛してほしい。そうすることによって夢を見るだけでなく、許されないと思っていた夢を実現できるかもしれない」と呼び掛ける内容だ。監督・キャストが全員黒人で、助演男優賞、脚色賞も受賞した。

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2017年3月28日のニュース