土屋太鳳 ロケ現場でも野菜刻む 健康美をつくる食へのこだわり

[ 2017年3月21日 10:50 ]

盛りだくさんの野菜を前にはじける笑顔の土屋太鳳。フレッシュな美しさの源です
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 【夢中論】みずみずしい健康美とはじける笑顔。女優土屋太鳳(22)の輝きを支えるのは、ふんだんに野菜を盛り込んだ手作りのサラダだ。家ではもちろん、楽屋やロケ先の控室にもアウトドア用の調理セットを持ち込んでトントン。手際の鮮やかさは共演者を驚かせる。「口から入ったものが体をつくる」。こうした医食同源のこだわりは、芸能界の美しき先輩と、そして母の教えが培った。

 レタスにトマト、栄養たっぷりのブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)。アボカドも入れちゃう。「食べる美容液」と呼ばれる、大好きなセロリは外せない。器用に切り分け、可愛く盛り付け。そこに旬の食材を加える。味付けの肝は黒酢とショウガ。レモン果汁をひと垂らしするのが太鳳流だ。シャキッ。「うん、きょうもおいしい!」。フレッシュな美の源泉は、こうして日々、充てんされる。

 「色とりどりの野菜でサラダを作ると心が明るくなりますし食べて元気になる」。多忙にかまけ、現場のロケ弁に偏りがちな俳優の食事に「おいしいんですけど、そればかりだと健康状態が悪くなるので」。体形や肌つやを損なわないためにサラダは欠かせない。

 仕事先でも、野菜を刻む。「野菜は切っちゃうと、ビタミンが抜けたり酸化するので」食べる直前に作るのが鉄則だ。楽屋でもロケ現場の隅でも環境さえ整えばサラダを作る。「えっ?何してんの」と驚かれることもしばしばだ。包丁とまな板、箸がセットになったアウトドア用具が愛用品。早いときは5分で完成。「余裕のあるときはたくさん作って現場の皆さんに“ちょっと食べる?”って聞いたりしてます。みんなで健康になれたら素敵じゃないですか」。

 ほかにやっている人を「見たことないですね」と照れ笑いする現場での調理は、多忙になってからの習慣だ。高校時代に創作ダンスで全国大会に出場し、現在は日本女子体育大に通うだけに体力には自信があるが、睡眠時間の確保も難しい中でコンディション維持に悩まされた。「どうやったら健康的に乗り切れるかを考えた結果でした」。

 芝居はイメージ以上に「体力を消耗する」という。「体力もそうですが気力を使う。凄く疲れるんです」。15年、主演したNHK連続テレビ小説「まれ」で祖母役を演じた草笛光子(83)からこう言われた。

 「絶対に痩せちゃダメよ。お芝居はエネルギーを使うでしょ。そのエネルギーが足りないと、人に伝わらないのよ」

 それからは、好きな肉も、もちろん野菜も、たっぷり食べる。「おかげで“まれ”が終わってから風邪をひいたことがありません」。

 「食べることは、生きること」が信条だ。「まれ」で共演した演歌歌手の藤あや子(55)や女優の田中美佐子(57)ら、憧れるのは料理上手の先輩が多い。「いつもパワフルで、仕事のときにはキラキラしてて。お話ししても、女性の素晴らしさや可愛らしさがあって…。食を大切にしているからこその輝きを感じるんです。こういう人の背中を追いたい」。

 原点には母親の影響がある。どんなに多忙な時でも食事作りには妥協がなかった。「家族が風邪をひきかけると、おじやを作ってくれたり、食材の質や旬の食材の栄養を大切にしてくれた」と語る。

 買い食いは禁止。「高校のとき、帰りにコンビニに寄るときも“見られてるんじゃ?”とキョロキョロしてた」。外で食べないから、家で出たものは、一回も残したことがない。「食べる幸せ、食べられる幸せを大切にすることを教えてもらいました」。

 役柄によって、体形を調整する必要にも迫られるが、食事は抜かない。「無理に痩せるより、元気に見えたほうがいいので」。ヒロインの女子高生を演じる25日公開の出演映画「PとJK」では10代らしい体形を追求。撮影は昨年6〜7月。サラダよりベーコンなどを入れたスープを主体にした。一方、今冬公開予定の映画「8年越しの花嫁」では、難病に侵された女性の役。今年1〜2月に行われたロケ中は「野菜を取りつつ役柄に応じて抑えた食事をしました」と話す。

 俳優に限らず、忙しくなるとつい食事を省きがち。「寝食を忘れ」という表現もある。でも、頑張るのは自分の体。体を最高のコンディションに保つことは、生きる上で最大のこだわりだといえる。「食べて動いて、食べて動いてというのが私には合っている」という土屋にとって、サラダは女優としての、そして人生の象徴だ。「夢中になるって、自分を見失ったり、おぼれるという面もある。でも、そのくらいでやっと、人に何かが伝わったり、何かにたどり着けたりするんだと思う」。何かを伝えられる女優を目指し、自分の“夢中”を貫き通す。

 ≪主演「PとJK」で亀梨と年の差婚≫「PとJK」は累計260万部を突破した三次マキ氏原作の同名少女漫画が原作。土屋はKAT―TUNの亀梨和也(31)演じる警察官と年の差結婚をする女子高生・カコ役。「ピュアで温かいラブストーリー。家族愛や友情も盛り込まれて、いろんな人に気に入ってもらえる作品になったと思う」と話す。亀梨の印象について「セクシーが漏れ出てしまうかと思った」と話しつつ、自身の結婚は「今のところは人生勉強の日々」と予定がないことを強調した。

 ◆土屋 太鳳(つちや・たお)本名同じ。1995年(平7)2月3日、東京都生まれの22歳。05年「スーパー・ヒロイン・オーディション ミス・フェニックス」で審査員特別賞を受賞。08年に映画「釣りキチ三平」のヒロインに抜てきされた。3歳から習っている日本舞踊やバレエ、ダンスのほか、乗馬やスキーもこなすなどスポーツ万能。1メートル55、血液型O。

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