窪塚洋介 監督は命懸けだった「自分を信じて人生を全うすることが大切」

[ 2017年1月21日 16:32 ]

映画「沈黙 サイレンス」の初日舞台挨拶を行った窪塚洋介
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 米の巨匠マーティン・スコセッシ監督(74)が、遠藤周作の小説を映画化した「沈黙 サイレンス」が21日、全国344スクリーンで公開され、日本人キャストの窪塚洋介(37)、浅野忠信(43)、イッセー尾形(64)、塚本晋也(57)、小松菜奈(20)が初日舞台あいさつを都内で行った。

 江戸時代の厳しいキリスト教弾圧下で、信教と生き延びることの間で揺れ動くキーパーソンのキチジロー役をオーディションで射止めた窪塚は、「ハリウッドにアピールするチャンスという部分はあったかもしれないが、そういう芝居は一切カットされた。スコセッシ監督の手のひらで踊らされていたという驚がくとともに、偉大さを感じた」とスコセッシ監督に最敬礼。その上で現代と照らし合わせ、「信じることが死とイコール時代で、今の生ぬるい時代よりまし。自分を信じて人生を全うすることが大切だと、こういう今の時代に必要な重い映画が導いてくれることもある。監督が命を懸けて闘った気持ちをくんでくれれば、よりよい明日が皆さんのもとにやってくると信じて疑いません」と力強く訴えた。

 1度はオーディションに落ちたが、再度挑戦して通辞役を勝ち取った浅野は、「どうしても監督と仕事がしたいと、必死にしがみついて大きなチャンスを得た。とても充実した時を過ごせ、監督からもたくさんのことを学んだ」と満足げ。弾圧する側に立った尾形も、「何を投げかけても大丈夫だった。英語のセリフは覚えましたけれど、相手にどう届いたかは分からない。最終的にはくそ度胸とハッタリでした」と振り返り、笑わせた。

 オーディションがスタートした8年ほど前から関わっていた塚本は、“スコセッシ教”の信者を自任。潮が満ちる海で十字架に張り付けられる過酷な役どころだったが、「台本の段階からここは危ないと思っていたが、信者なので殉教覚悟で挑んだ」と話していた。

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2017年1月21日のニュース