日本将棋連盟の谷川会長引責辞任…後任に佐藤九段推す声も

[ 2017年1月19日 05:30 ]

 日本将棋連盟の谷川浩司会長(54)は18日、東京都内で記者会見し、コンピューターソフト不正使用疑惑を巡り「対応に不備があった」として、一連の騒動の責任を取り会長を辞任することを表明した。不正はなかったと判断された三浦弘行九段(42)については「迷惑を掛けたことを深くおわびする。皆さまに誠意をお伝えするのは会長を辞任するのが一番」と改めて陳謝した。

 黒いスーツにネクタイで会見場に現れた谷川は顔色も優れず、目もうつろで憔悴(しょうすい)しきった表情。昨年夏に三浦に対する疑惑が上がった時点で、電子機器の規制などの対応を取らなかったことへの責任を繰り返し「もっと早い段階で手を打っておけば…」と任期途中で会長を退く無念さをにじませた。

 連盟が依頼した第三者委員会は昨年12月、不正の証拠は認められないとする調査結果を発表。連盟は理事会の幹部に役員報酬の10分の3を3カ月返上する処分を科した。また、三浦には名人への挑戦権を争うA級順位戦で、来期もA級の地位を保証するという特例まで決めた。騒動沈静化を図るための“一手”だったが、逆に「幹部の処分は軽すぎる」「三浦に厚遇すぎる」とのファン、棋士から怒りが噴出し、谷川は板挟みとなった。会見では年末年始の休暇の間に「かえって重圧を感じるようになった」と心境を吐露。疑惑発覚直後から「胃が痛くて食べられず、なかなか寝付けない」と体調不良が辞任理由の一つであることも明かした。

 19日に臨時理事会を開き、新会長を選ぶ臨時総会の日程を決定する。後任には棋士会会長の佐藤康光九段(47)を推す声が上がっており、関係者は「会長不在期間をつくらないなら外部の人は難しい。佐藤さんは物腰も柔らかく、社交的なので適任ではないか」と話した。

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2017年1月19日のニュース