「真田丸」星野源 十八番“ダメな役”の極意 大ブレークも実感なし
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音楽家や作家としてもマルチな人気を誇る俳優・星野源(35)がNHK「真田丸」(日曜後8・00)で大河ドラマ初出演。江戸幕府二代将軍・徳川秀忠の“ダメさ加減”と成長ぶりを体現している。ヒーロー然としない“2番手ポジション”を確立し「誰しもできることではないとは思うので、うれしい」と手応え。その極意を明かした。TBS「逃げるは恥だが役に立つ」(火曜後10・00)も絶好調で、大みそかの「第67回NHK紅白歌合戦」も2年連続2回目の出場が決まった。自身の人気沸騰については「特に何も変わっていないというのが現状」と実感はない様子だが、大ブレークの1年を振り返った。
◆徳川秀忠“2代目の苦悩”を熱演 “ダメな役”は「茶化さないように」
真田の策略により、関ヶ原の戦い(慶長5年、1600年)に遅参する大失態を演じた秀忠。当初は父・徳川家康(内野聖陽)に怒られ、悩む“ダメっぷり”も目立ったが、慶長10年(1605年)に将軍となり、風格も。大坂の陣(慶長10~20年、1614~15年)は真田幸村(堺雅人)への雪辱に燃える。
偉大な父を持った“2代目の苦悩”は今作の裏テーマ。制作統括の屋敷陽太郎チーフプロデューサーも「中でも家康の息子に生まれた秀忠のプレッシャーは、想像を超えるものだったに違いありません。しかし、私たちは秀忠を単なる無能な若殿とは考えません。秀忠の悲哀、そして家康とは異なる“怖さ”も醸し出せる人間的な深みを持っているのは、星野源さんをおいて他にいないと考えました」と起用理由を説明した。
秀忠の成長について、星野は「何となく現代っぽい感じがするといいますか。急に何かが覚醒して人格が変わったということではないんですよね。例えば父上に対して反抗しすぎるわけでもなく、佐渡守(家康の名参謀・本多正信、近藤正臣)にも要所要所で頼り、現代にいる自分が見ても、周囲と折り合いをつけながら一歩一歩進んでいくタイプの成長の仕方だと思いました。それがすごく励まされるといいますか。あれだけ巨大な父上がいる中で、よく耐えたし、彼なりの努力は相当している。だから、秀忠がダメダメだとは全く思わないです。ヒーローという感じではないですが、現実的に側にいたら、すごくいいヤツなんじゃないかという印象はあります」と分析した。
実は肉食系だが、草食系男子のパブリックイメージがあり、今回の秀忠同様、どこか頼りなく見える役柄を演じることも多い。「そういう役は茶化さないように演じないと、とすごく思います。ヒーローじゃない、ダメダメな人物の中にあるカッコよさとか人間らしさとか、そこに多くの人が共感したり、励まされたりすると思うので。彼は一生懸命、マジでやっているんですが、周りの状況が違うからおかしく見えるんだ、というふうにやれたらいいなと思っています」と秘訣を明かす。
「秀忠にしても、本人が悪いというよりも、戦国時代のマナーに微妙になじめていないだけ。世の中が合っていないという感じになったらいいなと思って。秀忠が成長していく姿を見た時、何か達成感といいますか、やりがいといいますか、秀忠は単にダメじゃないというところを出せたかなぁと思いました」
ヒーロー然としない“2番手ポジション”についても「ヒーローを支えるのはヒーロー的じゃない人たちだと思うので、すごく大事な部分だと思うんですよね」と見解。“契約結婚”を描く社会派ラブコメディー「逃げ恥」で演じる“契約夫”役も「ヒーローじゃなくて、ヒロインなんですよね。(新垣)結衣ちゃん演じる(森山)みくりさんがどちらかと言うとヒーロー。ヒロイン、楽しいですね」と笑いを誘いながら「秀忠はヒロインじゃないですが、(ヒーロー的じゃない役は)誰しもできることではないとは思うので、そういう役をやらせていただけるのはすごくうれしいです」と手応えを口にした。
◆「敷居が高い」と思っていた時代劇も「芝居の根幹は変わらないんだ」
脚本の三谷幸喜氏(55)作品に参加するのは初。撮影が始まった頃は「しゃべり方の節のつけ方とか、時代劇らしくしなきゃいけないんじゃないか」と勝手な思い込みもあったが、三谷氏からは「秀忠は現代人みたいにいていい。いわゆる時代劇のしゃべり方はしないで」のアドバイス。秀忠は乱世の次の時代をつくる“次世代の人”と捉え「(戦国時代の人とは)違う雰囲気を出したいなということで、ちょっとだけ意識として普通にしゃべるというか、話す言葉はもちろん昔のものですが、本当にそこにいる人としてしゃべるというふうにしていったら、秀忠の見え方が微妙に変わった感じがしたんです」
「なので、敷居が高いと思っていた時代劇でも、演技というものの中に流れているものは変わらないのかもなと思いました。変わらない方が、キャラクターは生きているように見えるんだなぁと。時代劇という今までやったことのない世界を体験したことによって、節のつけ方とか、それっぽい側を塗り固めていくよりも、当たり前なんですが、より目の前の人に話すこととか、芝居の根幹は変わらないんだなと思いました」と、あらためて気付かされた。
街で秀忠と声を掛けられることも増えたといい「自分の出番自体は多くないですが、『真田丸』が浸透しているんだと思うと、すごくうれしいですね」と反響を体感。「ただ、何か変わったかというと、特に(変わっていない)。例えば、噂に聞く『うちのビジネスに投資しませんか?』みたいのがあるじゃないですか。そういうのも全くないので」と冗談めかし「女の子がすり寄ってきたりみたいなことも全くないので。腹立たしい。もっと来ていただきたいんですけど」と茶目っ気たっぷりに語り「特に何も変わっていないというのが現状」と人気の実感はない様子。
とはいえ「逃げ恥」も絶好調とあり「本当にうれしいです。それこそ『真田丸』の現場に行ったら『逃げ恥』よかったねと話をされて、『逃げ恥』の現場に行ったら『真田丸』おもしろかったねと話をされる幸せな状況。『真田丸』も『逃げ恥』も絶対おもしろいと思いながらドラマを作っていて、それをおもしろいとみんなが言ってくれて、結果も付いてくるというのは本当に幸せだなと思います」と素直に喜んだ。
1つ1つの質問に真摯に熟考し、物静かながら言葉を選ぶ姿が印象的。飛躍の1年を経て、今後もドラマ・映画と、さまざまな作品を彩る。
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