北斗晶の“器”の大きさ感服、退院直後でも初対面でも細やか気遣い

[ 2015年10月12日 15:35 ]

3日、退院会見を行った北斗晶と佐々木健介夫婦

 乳がんで右乳房の全摘出手術を受けた元女子プロレスラーでタレントの北斗晶(48)が、3日に埼玉県吉川市の事務所で行った退院会見を取材した。北斗本人を取材するのは今回が初めてだったが、随所に見せる細やかな気遣いに驚かされるばかりだった。

 会見場に姿を見せると、真っ先に「(土曜日の)お休みのところ、埼玉の田舎まで来ていただいて申し訳ありません」と取材陣に頭を下げた。そして「みなさんのおかげで、病院への乳がん検診の予約がすごいみたいです。ありがとうございました」と、報道が乳がんの啓発につながったと感謝の言葉を続けた。会見前にはスタッフを通じて取材陣にどら焼きとお茶を振る舞い、会見終了後は、事務所の玄関で「狭いところで暑かったでしょう」「遠くまですいません」と1人1人に声をかけて見送った。

 この会見は、マスコミ各社から退院取材の依頼が相次いだことを受け、北斗が急きょセッティングしたもの。退院直後で体調がかんばしくない中、当初予定の倍の40分間も取材対応をしてくれただけでも十分ありがたいのに、身に余る厚意の数々。北斗がプロレスラー時代から親しい記者は「北斗さんらしい」と言っていた。

 バラエティー番組などでは豪快な鬼嫁キャラで知られるが、気遣いは実に繊細だ。最も印象的だったのが「退院して今、一番食べたいものは?」と質問をされた時。何も挙げることなく「今、病院食はありがたいことにおいしくて、毎日毎日ありがたくいただいてました」と病院食をPRした。北斗の入院先だった病院関係者はきっと喜んだだろう。実際はサンマが食べたかったようで、家族で塩焼きにして食べたことをブログで明かしている。

 担当医に「5年生存率は50%」と告げられ、この先の不安と恐怖で自分のこと以外に気が回らなくなっても不思議ではないはず。そんな時に初対面の記者でさえも気遣うことができる北斗の器は、どれほど大きいのだろう。がんを寛解させ、完全復活を果たした時に、またその人柄に触れてみたいと思った。(記者コラム)

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2015年10月12日のニュース